令和5年度IT導入補助金が最終締切を迎えたことを受けて、「来年度もあるの?」という質問を頂くことが増えました。
そこで今回は、先日公表されました令和5年11月10日、令和5年度補正予算案がをもとに
この閣議決定された補正予算案から、来年(2024年、令和6年)の中小企業向け補助金の方向性を確認してみます。
進行中の経済産業省の令和6(2024)年度予算等の内容をチェックすると共に、来年度、IT導入補助金の活用を検討されている方向けに、今からできる準備事項をお伝えいたします!
令和6年度 経済産業省 概算要求について(抜粋)
経済産業省の概算要求において、経済産業省はスタートアップ関連や研究開発予算を中心に予算発表を行いました。環境対応やエネルギーの安定供給、新しいエネルギー分野への強化を目的としており、脱炭素やグリーントランスフォーメーションの推進、福島第1原子力発電所の廃炉、再生可能エネルギー関連の取り組みなどが主な内容として挙げられています。また、スタートアップの育成や新しい技術・仕組みの創出、ディープテックの技術活用、研究者と経営人材の仲介にも注力しています。
経済産業省は、環境対応、エネルギーの安定供給、新しいエネルギー分野への強化を目的に予算編成を進行中です。主な取り組みとして、脱炭素、グリーントランスフォーメーションの推進、福島第1原子力発電所の廃炉、再生可能エネルギー関連の洋上風力発電や太陽光の導入、次世代燃料の供給網整備、半導体工場の国内立地支援等が挙げられます。
また、スタートアップの育成、新しい技術や仕組みの創出、ディープテックの技術活用、研究者と経営人材の仲介にも注力しています。新しい技術や仕組み、価値観の創出に向け、スタートアップ(新興企業)の育成や新陳代謝の促進にも重点的に取り組む。社会課題解決への貢献が期待されながら、企業内に埋もれている「ディープテック」の技術活用やカーブアウト」を通じて、親会社から独立した新会社が手がける研究開発の支援、研究者と経営人材の仲介も行う。
2024年度税制改正において、イノベーションボックス税制の創設を要望し、これにより研究開発の成果からの所得に対する税率を優遇する制度を目指しています。この税制はヨーロッパやアジアでの導入が進む中、日本の研究開発拠点の競争力を高めるためのものです。さらに、オープンイノベーション促進税制やパーシャルスピンオフ税制の恒久化も要望されています。
上記よりスタートアップの育成や新しい技術の創出に注力していること、そして2024年度の税制改正に関する要望があることを示しています。特に、スタートアップや新技術の育成、税制改正に関する部分は、日本の経済成長やイノベーションの推進において重要な要素となるでしょう。
スタートアップの育成と技術活用:
①新しい技術や仕組みの創出
②ディープテックの技術活用
③研究者と経営人材の仲介
④企業内の「ディープテック」技術の活用や「カーブアウト」を通じた新会社の研究開発支援
2024年度税制改正:
①イノベーションボックス税制の創設を要望
②研究開発の成果からの所得に対する税率の優遇
③オープンイノベーション促進税制やパーシャルスピンオフ税制の恒久化の要望
自社に該当する予算がないかくまなくチェックするか、キーワードで検索しながらご覧ください。
令和6年度もIT導入補助金が実施される見込みです
IT導入補助金は、「中小企業生産性革命推進事業」の一部です。
『経済産業省関係 令和3年度補正予算・令和4年度当初予算案のポイント』のP.5、3.生産性向上による成長促進の項目を見ますと「中小企業生産性革命推進事業 2,000.6 億円」とあります。
また、『令和3年度補正・令和4年度当初 中小企業・小規模事業者関係予算案等のポイント』では、中小企業生産性革命推進事業の箇所に「設備投資、販路開拓、ITの導入等を補助するなど、中小企業等の生産性向上に資する継続的な支援を実施」とあります。
これらのことから、2022年度もIT導入補助金の実施が想定されます!
IT導入補助金単体での予算規模は?
残念ながら、IT導入補助金単体での予算規模は示されていません。
ですが、中小企業生産性革命推進事業の予算規模が2021年度の2,300億円と同規模であることから、同程度の採択数を見込んでいると考えられます。
参考までに、通常枠と特別枠の2本立てが開始されて以降の採択数を見てみると、2020年度が27,840件、2021年度25,615件(※第4次締切分までの合計)という結果でした。
2022年度もこれらと同程度の30,000件前後の採択を見込んだ予算が確保されるだろうと考えられます。
申請受付がはじまってからでは遅い!?今からできる準備とは?
少なくとも次の事項に取組んでおくことをおすすめいたします。
1.gBIZIDプライムを取得する
これまで通りですと交付申請手続きは、全てオンラインで行われます。
オンライン申請を行うにあたって必要となるのが「gBIZIDプライム」です。(※gBIZIDエントリーではない点、ご注意ください)
取得にあたっては、こちらのWebサイトにて作成した申請書を印刷のうえ、印鑑証明書を添えての郵送が必要になるなど、手続きが少々煩雑です。
また、通常は必要書類が窓口に到着してから1週間程度でIDが発行されるのですが、申込みが混み合いますとID発行までに3週間以上かかる場合があります。実際、gBIZIDプライムの取得が間に合わず、IT導入補助金の申込みを延期・断念したお客様もいらっしゃいました。
そのため、今のうちから取得しておくことをおすすめいたします。
取得方法の詳細は、こちらのマニュアルを参照ください。
2.SECURITY ACTIONを宣言する
SECURITY ACTIONとは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している制度で、中小企業・小規模事業者等がセキュリティ対策に取り組むことを自己宣言するものです。
IT導入補助金では、SECURITY ACTIONの「★(一つ星)」または「★★(二つ星)」の宣言を申請要件として定めています。
自己宣言は、こちらのサイトで行うことができます。手続き方法は、こちらのマニュアルをご覧ください。
3.解決したい自社の課題と課題解決に適したITツール(ソフトウェア)を明らかにする
IT導入補助金の獲得にあたっては、申請書を作成したり、交付決定を受けた場合はその後3年間の実績報告が必要になったりと、意外と労力がかかります。折角なら、かけた労力以上の効果を得たいもの。
そのためには、どのような課題を、どのようなITツール(ソフトウェア)で解決するか、じっくりと腰を据えて検討することをおすすめいたします。
その方がより効果的にIT導入補助金を活用できますし、仮に不採択となった場合でも今後に活かすことができるのではないでしょうか。
自社単独で検討するのが困難な場合は、身近なIT業者であったり、商工会議所やよろず支援拠点などの公的窓口、会計システムや人事・総務系システムについてなら税理士や社労士に相談してみてはいかがでしょうか。
もちろん、弊社にご相談いただいても結構です。
まとめ
令和6年度もIT導入補助金が実施されると見込まれます。
申請受付が開始されるのは、おそらく4月頃と思われますが、今からしっかり準備することで、ぜひ効果的にIT導入補助金を活用頂ければ幸いです。