【この記事でわかること】
- 総務ファシリティ管理の業務内容
- 総務ファシリティ管理のメリット
- 総務ファシリティ管理に求められるスキル
総務ファシリティ管理という言葉を知っていますか?
総務は縁の下の力持ちというイメージがあり、社内であまり目立たない仕事を行っているように思われる場合も多いですよね。しかし、実際は総務ファシリティ管理といった会社の経営面を支えている職種で、とても重要なポジションの仕事です。
今回は、総務ファシリティ管理の具体的な業務内容やメリット、総務ファシリティ管理に求められるスキルなどについて紹介します。本記事を読み、総務ファシリティ管理について理解を深めましょう。
総務ファシリティ管理の特徴
総務ファシリティ管理とは、資産と捉えて経営に活用する考え方です。通常の総務と投資対効果を意識した点に、大きな違いがあります。
また、現代はコスト削減に大きく貢献する総務ファシリティ管理の必要性が高まっているので、とても重要なポジションと言えるでしょう。
総務ファシリティ管理って何?
総務ファシリティ管理とは、通常の施設や備品の管理のみだけではなく、不動産のように資産と捉えて経営に活用する考え方を指します。
実際に、会社は様々なものがあって仕事が成り立っている部分も多く、簡単にまとめたら総務の仕事を有効活用して前向きに捉える考え方です。
総務ファシリティ管理を大切にして、快適に働ける会社を目指しましょう。
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通常の総務との違い
通常の総務の仕事と総務ファシリティ管理の違いは、投資対効果を意識した点に大きな違いがあります。
通常の総務は現状維持として建物や備品を管理する仕事という認識が強いですが、総務ファシリティ管理は有益に活用するというコンセプトの元で建物や備品を管理しているので、コスト削減や経営面の視点を持った考え方と言えます。
現代は総務ファシリティ管理の重要性が高まっている
現代の社会は、総務ファシリティ管理の重要性が高まっておりとても重要な役割となります。
実際に、人件費の次に施設の維持や管理費用などのコストがかかっているため、総務のファシリティ管理が重要な位置付けとなっているからです。
今までの総務は縁の下の力持ち的なイメージが強い部分も多かったのですが、今後の社会では重要なポジションと言えるでしょう。
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総務ファシリティ管理のメリット
総務ファシリティ管理のメリットとして、施設の最適化によりコストの削減ができる従業員の満足度の向上、知的生産性の向上などが挙げられます。
総務ファシリティのメリットを活かして会社の売り上げを伸ばしましょう。
施設の最適化によりコストの削減ができる
総務ファシリティ管理を実施すると、施設の最適化によりコストの削減ができるというメリットがあります。
常に資産を有効活用する方法を考え実践すると、施設で無駄に使われている部分に気付きコストの削減ができます。
具体的にはROIという投資利益率を用いて計算を行い、オフィス環境の最適化を図ります。
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従業員の満足度の向上
従業員の満足度の向上が図れるのも、総務ファシリティ管理の大きなメリットとなります。
仕事環境のICTの整備や強固なセキュリティなどを積極的に導入すると快適に仕事ができる環境となり、従業員の満足度が大きく向上するきっかけとなります。
結果的に、生産性の向上に結び付くのでとても重要です。
知的生産性の向上
知的生産性の向上が図れるのも大きなメリットです。
働き方に応じた快適なオフィスの構築や、会社内でのコミュニケーションの機会を増やす取り組みなどを実施し、知的生産性の向上が期待できます。
総務ファシリティ管理の業務内容を紹介
総務ファシリティ管理の具体的な業務内容として、不動産管理やオフィス建物の管理、社内環境の整備、備品や機器の手配と管理などがあります。
具体的な仕事を知り、総務ファシリティ管理について深く理解しましょう。
不動産管理
不動産管理は会社が所有する土地、建物、保養施設、社宅や寮などを固定資産台帳で管理します。固定資産台帳とは土地の面積や規模、形状、所在地、価格などを記録している用紙です。
記録を見返すと適切なタイミングでメンテナンスを実施できます。また、不要な不動産は売却を通して資産にするといった、別の対策を行えるという側面も有しているのが特徴です。
オフィス建物の管理
オフィス賃貸や売買契約、オフィス清掃の手配などを通したオフィス建物の管理を行います。
また、オフィスの変更に伴うリニューアル工事の手配も業務の一環となります。オフィス移転や変更の際は、目的を明確にした行動計画を策定するのが一般的です。
具体的には、企業のブランドイメージの向上や従業員のコミュニケーションの活性化のなどの目的が挙げられます。
理由を明確化して無駄なコストや労力を削減するために、目的意識を持つのがとても大切です。
社内環境の整備
社会環境の整備もとても大切なファシリティ管理となります。
知的生産性を向上させるためには省エネやクールビズ、分煙などを行い社内を過ごやすくするのが大切です。
具体的な仕事内容としては、適度で過ごしやすい室温や湿度、目に優しい色合いの照明、穏やかなBGMを流すなどとなります。
心地良さを追求した環境を整備する意識が必要です。
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備品や機器の手配と管理
備品や機器の手配と管理も総務ファシリティ管理として大切なポイントです。具体的には文具や机、収納棚などの手配や整備を行いコストの削減を目指します。
現在使用されている備品を転用する場所や方法を考え、取り組むなどの手法も行われています。適切な在庫をストックして、最小のコストで過ごせる環境を意識するのが大切です。
総務ファシリティ管理に求められるスキル
総務ファシリティ管理に求められるスキルとして、認定ファシリティマネージャー、不動産証券化協会認定マスター、建築物環境衛生管理技術者などが挙げられます。
上記の資格を取得して、より総務の仕事で求められる人材へと成長を目指しましょう。
認定ファシリティマネージャー
社団法人日本ファシリティマネジメント推進協会が認定ファシリティマネージャーが資格試験を実施しているスキルで、社内の従業員が快適に過ごせる環境作りとしてのファシリティ管理の知識を証明する検定です。
具体的なスキルとして、オフィスレイアウトやコンピューターやプリンタの配置の変更、パテーションで席や机の区分け作業などの技能を認定します。
従業員が過ごしやすい環境を整え、企業として生産性を高められる有能な人材になれます。
不動産証券化協会認定マスター
不動産証券化協会認定マスターは、不動産証券化の専門家として知識とスキルを体系的に習得できているのを証明できる制度です。
社団法人不動産証券化協会が実施している認定試験となります。認定者は、最新情報の入手や知識のブラッシュアップのため、継続して教育を受講することが必要です。
建築物環境衛生管理技術者
建築物環境衛生管理技術者は一般的にはビル管理技術者と呼ばれており、建物内の衛生管理や維持管理に関する国家資格です。
一定の面積を有する建物に関しては専任義務があり、総務の仕事で重要な資格となっています。建築物環境衛生管理技術者の取得を前向きに検討するのも、とてもおすすめです。
総務ファシリティ管理の導入事例を紹介
総務ファシリティ管理の導入事例として、株式会社 梓設計や株式会社 資生堂、NECネッツエスアイ 株式会社、岐阜県立下呂温泉病院などがあります。
各事例を参考にして、総務ファシリティ管理の導入を検討しましょう。
株式会社 梓設計
株式会社 梓設計は、成長するオフィスという目標を掲げ、本社を物流倉庫へ移転作業を実施している企業です。
1つの大規模なフロアでコミュニケーションをとるスタイルを意識しており、快適な仕事環境を従業員に提供しているのが特徴となります。
また、モバイルワークにも対応できるようにノートPCやiPad、iPhoneなどを全社員に貸し出しており、社員の業務効率化を測っている企業です。
株式会社 資生堂
株式会社 資生堂は、企業成長の原動力は人と捉えた考え方に基づいた経営方針を実践しており、オフィスコンシェルジュの導入やレコードマネジメントの活用で業務委託体系を整備して、生産性や社員満足度を大きく向上させる施策を実践しています。
上記の施策で社員が快適に働ける環境を提供できた部分もあり、仕事の生産性や快適性を大きく高められた結果を得られた企業です。
NECネッツエスアイ 株式会社
NECネッツエスアイ 株式会社はDX技術を活用してコミュニケーションに関わる様々なサービスを展開し、ICTを活用した働き方に取り組んでいる会社です。
そして、2019年に分散型ワークに変更しており、従来の働き方の変革を実践しています。
具体的には、上記のDX技術やICTを有効活用した多様な働き方を徹底活用しているのが特徴です。
岐阜県立下呂温泉病院
岐阜県立下呂温泉病院は、生活の場の医療と全室個室病棟の両立の実現を目指している企業で、地域や県民の方々から信頼される医療体勢を目指しています。
各病室の面積や設備を最小限にして、トイレをユニット型個室ごとに1か所設置するといった工夫を取り入れているのが特徴です。
総務ファシリティ管理を成功させるポイントを紹介
総務ファシリティ管理を成功させるポイントとして、オフィスの市場調査や現状の調査と分析、効果測定などを実施する必要があります。
上記の3つの視点を意識して、総務ファシリティ管理を成功させましょう。
オフィスの市場調査
最初に、オフィスの市場調査を行いましょう。
オフィスのトレンド調査や競合他社のオフィスを検索して、分析するのが必要となります。現代の働き方に合ったオフィスを実現するために、市場を徹底的に調査しましょう。
現状の調査と分析
次に、現状のオフィスの調査と分析を行いましょう。
各スペースの利用時間や利用状況、設備や備品の使用状況を確認を行い、現状の会社の上体を把握するのが大切なポイントとなります。
具体的な方法として、ベンチマーキングやワーカーアンケート、レコードマネジメント調査、設備や機器のコスト調査などがあります。
ベンチマーキング
ベンチマーキングとは、他社のオフィスを分析を行い自社と比較検討する中で、良い部分や改善すべき所を明確化する方法です。
自社の視点のみだと視野が広がりにくいという側面もありますが、ベンチマーキングを通して視野を広げると総務ファシリティ管理の新たなアイディアが閃く場合も多いので、色々な知識を得るのはとても大切となります。
ワーカーアンケート
ワーカーアンケートは、各スペースで働いている従業員に対して働きやすさや意見などをアンケートする方法です。
スペースの利用状況やスペース利用の用途などを把握でき、今後の総務ファシリティ管理に大きく役立てられます。
従業員の声に耳を傾けて、理想の働き方ができるオフィスを実現しましょう。
レコードマネジメント調査
レコードマネジメント調査は、文書やデータ管理がされているものを調査し、文書量の測定や管理状態を把握するなどに使用される調査方法です。
現状の文書が的確に管理できているかといった部分やセキュリティ面での調査を行い、現状を把握する必要があります。
設備や機器のコスト調査
オフィスに設置している各種設備や機器のコスト調査も大切です。
具体的には維持費を調査し、無駄なコストがかかっている部分について改善ができる方法を考えます。
意外と備品にかかる費用は多いので、地味な作業ですがとても重要な仕事となります。
効果測定
最後に、効果測定を行う必要があります。
なぜなら、オフィス環境を改善した場合に後で効果測定を行い、会社全体の変化を可視化する必要があるからです。
具体的な効果測定の項目として、コミュニケーション、生産性、従業員満足度、設備・機器の管理コストなどがあります。
定期的に効果測定を実施し、費用対効果を考慮しながら総務ファシリティ管理を続けていきましょう。
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総務ファシリティ管理まとめ
総務ファシリティ管理はコスト面や生産性に大きく関わり、とても重要な位置付けの仕事です。
今までの総務の仕事のイメージは施設管理や維持のみを想像する人も多いですが、実際は会社が継続して運営していくような取り組みを多数行っており、会社にとって必要な職種となります。
本記事を参考にして総務ファシリティ管理について理解し、社内で取り入れを検討してみるのも一案です。
社内環境を整えてより良いオフィス作りを行いましょう。