【この記事でわかること】
- 総務マニュアルを作成する手順やおすすめ作成ツール
- 総務マニュアルを作成するメリット
- 総務マニュアルの上手な活用方法や作成後に気を付けるポイント
総務マニュアルを作成した方が良いって聞くから作成してみたいけど、実際の作成手順が分からなくて悩んでいたりしませんか?
実は、総務マニュアルは適切な作成手順を踏めば、仕事のコスト削減や時間を大幅に短縮できるなどのメリットがありとても重宝します。反対に、漠然と作成すると中途半端な結果を招く場合があり、作成するポイントを意識するのが大切です。
今回は総務マニュアルを作成したい人向けにマニュアルの作成手順や作成するメリット、総務マニュアルの上手な活用方法、作成後に気を付けるポイントなどをまとめました。本記事を参考にして、良質な総務マニュアルを作成しましょう。
総務マニュアルを作成する手順を5つ紹介
総務マニュアルを作成する手順として、以下のステップがあります。
- マニュアルの適用範囲を決める
- 実施スケジュールを決定する
- 業務内容や作業手順を明記する
- 作業時の注意点や課題を確認する
- マニュアルを運用する
①マニュアルの適用範囲を決める
最初に、マニュアルの適用範囲を決めるのが必要になります。なぜなら、具体的な目標を決定せずにマニュアルを作成すると、中途半端な成果しか得られないからです。
具体的な設定目標として業務プロセスを視覚化する、マニュアルに沿って取り組みコストの削減を達成するなどがあります。自分の会社に最適なマニュアルを作成するために、目的や基準、カバーする範囲を決定しておきましょう。
②実施スケジュールを決定する
次に、実施スケジュールを決定しましょう。いつまでにマニュアルで決めた目的を達成すれば良いかという期日を具体的に設けると、計画が立てやすくなるという側面もあります。
反対に、無計画な状態で実施すると目標達成までに余分な時間を要する可能性もあるので注意です。実施するスケジュールを具体的に立てて目標を達成しましょう。
関連記事:総務部門の目標設定は難しい?具体例を基に設定方法を解説
③業務内容や作業手順の明記する
業務内容や作業手順を明記しましょう。記入していないと何から始めたら良いか分からず、仕事で混乱を招く結果となるからです。
また、業務内容を明記する際は具体的なタスクを記入するのがおすすめです。
具体例として「請求書の電子化」を挙げると、受注内容をデータにする、書類テンプレートの作成などの細分化されたタスクが必要となり、細かく作業手順を分けておくと円滑に業務を進められるので安心となります。
④作業時の注意点や課題を確認する
作業時の注意点や課題を確認するのも大切な工程となります。
実際に業務内容について記載すると同時に、注意点や課題についても検討しておくと、マニュアル運用後に大幅な軌道修正を行う必要がなくなり安心です。明記したマニュアルを再確認し、注意すべき点や課題がないか見直しましょう。
⑤マニュアルを運用する
以上の流れを行った上でマニュアルを運用します。実際に運用を始めた時に、浮き彫りになる課題や欠点もあると思います。
もちろん「④作業時の注意点や課題を確認する」の作業で事前に確認は行っていますが、マニュアルを運用してみてわかる場合も多いのが現状です。課題が浮かんできたら、マニュアルの改善を試みるのが大切な視点となります。
関連記事:これからの総務に求められる「戦略的総務」とは 受け身から攻めへ
総務マニュアルを作成するポイントを紹介
総務マニュアルを作成するポイントとして、以下のようなものがあります。
- 5W1Hを意識して作成する
- 仕事の全体図がわかるように記入する
- 業務の判断基準を明確に示す
- 読んでもらいたい部分を強調する
- クレーム対応の具体例を掲載する
上記のポイントを意識して総務マニュアルを作成しましょう。
5W1Hを意識して作成する
5W1Hを意識して作成すると文章の流れがより明確になり、的確でわかりやすいマニュアルを作成できます。反対に、5W1Hが入っていない文章は情報が不足しており、マニュアルの効果が半減する可能性があります。
従業員にとって分かりやすいように、5W1Hを意識した文章で総務マニュアルを作成しましょう。
仕事の全体図がわかるように記入する
マニュアルを作成する人は、従業員が現在携わっている仕事が全体のどの場所に当たるかを、全体図を通して記入する必要があります。
実際にチームで仕事を行っているので、自分の業務の役割を把握するのはとても大切なポイントとなり、重要です。また、全体図が仕事の際に判断するポイントにも繋がるでしょう。
業務の判断基準を明確に示す
総務マニュアル作成時に業務の判断基準を明確に示すのも必要です。仕事は基本的な業務内容だけではなく、様々な臨機応変さを求められる場合も多くあります。
対応の仕方が分からない事態に陥った時に具体的な判断基準を明確に示しておくと、慌てずに判断ができます。また、過去に起こった事例を取り上げてマニュアルに記載しておけば、従業員の理解が深まるのでおすすめです。
読んでもらいたい部分を強調する
文章のみの総務マニュアルを作成すると従業員に理解しにくい内容となるので、注意しましょう。反対に、フォントや色を変更するなどの工夫を行い、読んでもらいたい部分を強調すると効果的です。
従業員が理解しやすいマニュアル作成を意識するのがポイントとなります。
クレーム対応の具体例を掲載する
仕事中のミスが原因でクレームを受ける場面があった際に、クレーム対応の具体例を掲載しておくと快適に仕事を進められます。
過去に起こったクレームを事前に共有すると、同じようなクレーム時には落ち着いて対応できるので安心です。掲載する際は細かい内容を記載しておくのがポイントとなります。
おすすめの総務マニュアル作成ツールを紹介
おすすめの総務マニュアル作成ツールには、以下のものがあります。
- Googleドキュメント・スプレッドシート
- Dropbox Paper
- Stock
自分が使用しやすいマニュアル作成ツールを選択しましょう。
Googleドキュメント・スプレッドシート
Googleドキュメント・スプレッドシートは、文章の作成・編集・共同作業が可能なツールです。
パソコンだけではなくタブレットやスマートフォンなどの機器も対応しており、手軽に操作ができて便利なツールとなります。簡易的なマニュアルを作成したい人におすすめのツールです。
Dropbox Paper
Dropbox Paperは、チームで情報共有やアイディアを整理する際に使用しますが、マニュアル作成にも利用できるツールです。
また、注釈機能を活用するとフィードバックやコメントも可能となっており、とても便利です。コミュニケーションを図り、総務マニュアルを作成したい企業向けのツールでしょう。
Stock
Stockは、共有したいテキストや動画、音声などの情報をフォルダ形式で保存し、必要な時に取り出せるツールです。
情報の共有が簡単に実現できるので、総務マニュアルを作成する際に効率的に進められるのが魅力となります。誤削除を防止する機能も付いており、万全にデータ管理ができるのでおすすめです。
総務マニュアルを作成するメリットを紹介
総務マニュアルを作成するメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 時間を短縮できる
- コスト削減が実現できる
- 顧客満足度や品質が向上できる
- 従業員を適正に評価できる
総務マニュアルを上手に活用して仕事の質を上げましょう。
時間を短縮できる
何も分からない状態から仕事をスタートするより、マニュアル通りに動いた方が作業が捗る場合が多く、結果的に時間の短縮に繋がります。
マニュアルが用意されていない状態の場合は先輩社員が部下を教える必要も出てくるため、チーム全体として効率的な業務とは言えません。会社全体として成果を出すために総務マニュアルは必須です。
コスト削減が実現できる
コスト削減が実現できるのも総務マニュアルの大きなメリットです。実際にマニュアルがない状態で仕事を行うと無駄な動きや費用がかかる場合が多く、コストがかさむケース時もあります。
また、人件費においても抑えられるので無駄に残業をする機会が少なくなり、社員の不満がなくなって快適に働ける会社に変化できるという側面も有しています。社内で無駄なコストを減らすためにも総務マニュアルを活用しましょう。
関連記事:オフィスコストを削減する方策5選|縮小や移転は効果的?成功のポイントを解説します
関連記事:オフィス移転にかかる費用はどのぐらい?内訳や抑え方を徹底解説
顧客満足度や品質が向上できる
総務マニュアルを作成すると、顧客満足度や品質が向上できるのも大きなメリットとなります。
実際に総務マニュアルを運用すると従業員の意思を統一できるので、作業中の単純なミスを防止できる効果もあり、おすすめです。結果的に顧客満足度も大きく向上するので会社の利益となります。
関連記事:総務だから変えられる。ワークフローのDX化を解説。
従業員を適正に評価できる
総務マニュアルを作成すると従業員を適正に評価できるのがメリットです。マニュアルによって細かく仕事内容を振り分けられているので、従業員の仕事が適正に評価できる面もあります。
反対に、各従業員がばらばらの動きをしている会社は能力やスキルについて評価しにくくなるデメリットがあるので、マニュアルを作成するのはとても大切です。
関連記事:総務なんていらない?無駄だと思っているなら大間違い!戦略総務の必要性
総務マニュアルの上手な活用方法
総務マニュアルの上手な活用方法としては、次のような方法があります。
- マニュアルの使用者に意見を聞く
- マニュアルを定期的に更新する
- 古いマニュアルを残しておく
上記の方法を行い、マニュアルを有効活用しましょう。
マニュアルの使用者に意見を聞く
マニュアルの運用開始から2~3週間経過した時に、マニュアルの使用者に意見を聞くのも一案です。
実際に総務で使用している人の意見を聞くと、問題点や使いにくい部分が浮彫りになるので、より優れたマニュアルを作成するのは効果的です。時には現場のマニュアル使用者に意見を求めましょう。
マニュアルを定期的に更新する
マニュアルを定期的に更新するのも大切です。
なぜなら、実際に総務の仕事環境が変化する場合もあり、同じマニュアルを使用するのは非効率なケースもあるからです。マニュアルを最新の情報にアップデートすると、総務の仕事の現状に当てはめられるため業務が捗ります。
古いマニュアルを残しておく
古いマニュアルを残しておくのもおすすめの方法です。マニュアルが更新された際に古いマニュアルを処分した方が良いと思われがちですが、一度保管しておきましょう。
理由としては、新マニュアルを実施しても以前の古いマニュアルの方が良いケースもあり、元のマニュアルを使用する場合も考えられるからです。すぐに古いマニュアルを処分せずに、残しておきましょう。
総務マニュアルを作成後に気を付けるポイント
総務マニュアルを作成後に気を付けるポイントとして、次のようなものが挙げられます。
- マニュアル通りにしか動けなくなる可能性がある
- 従業員のモチベーションが低下する場合がある
- 作業の目的や理由を必ず記載する
上記のポイントに気を付けて総務マニュアルを実施しましょう。
マニュアル通りにしか動けなくなる可能性がある
マニュアルで明確に記載しているため、従業員がマニュアル通りにしか動けなくなる可能性があります。限定的に書きすぎると仕事内容が限られてしまい、マニュアルにない仕事は対応できないというケースに陥りがちです。
上記のような状態にならないためにも、あくまで基本を記載しているといった情報を追記する必要もあります。マニュアルを基本として認識できるように、書き込みをしておきましょう。
従業員のモチベーションが低下する場合がある
マニュアルがあるのが原因となって、従業員のモチベーションが低下する場合があります。
具体的には、マニュアル通りの仕事をしなければならない意識が強く働き、決められた内容以上の仕事をこなす必要はないと思われがちです。
また、斬新なアイディアや改善点などを思い浮かべても、自分の仕事に関わりがないため提案する必要がないと考えてしまう結果となります。「今のマニュアル通りだけではなく、今後の状況に応じて業務内容も変化する」という現状を周囲の従業員に周知しましょう。
関連記事:総務必見!業務効率化のアイデア事例10選
作業の目的や理由を必ず記載する
作業の目的や理由を必ず記載するのもとても大切です。作業の手順のみを書いていても仕事は進められますが、社員の考える力や視点を養えないので人としての成長に繋がらないと言えます。
また、業務の本質に気づいたら仕事に向かう姿勢も変化するという心理もあるので、具体的な理由や目的などの背景を教えるのはとても重要です。
関連記事:総務のお仕事、実際はどんなことをするの?必要スキルややりがいまで徹底解説
総務 マニュアルのまとめ
総務マニュアルを作成する作業は時間を要しますが、コスト削減や時間の短縮、顧客満足度や品質が向上などのメリットが大きいのでとてもおすすめです。
また、作成時に5W1Hを意識する、仕事の全体図がわかるように記入するなどのポイントを意識するだけで良質な総務マニュアルが作成できるので、作成時に重要な点を網羅するのは大切です。
他にも、総務マニュアルを作成後に気を付けるポイントや総務マニュアルの上手な活用方法などを参考にして、従業員が快適に仕事ができる環境を整えましょう。