近年、生成AI (Generative AI) 技術の飛躍的な進歩により、企業における活用も急速に広まっています。
画像生成、音声生成、文章生成など、様々な分野で革新的なサービスや製品が登場しており、今後ますます企業の競争力強化に貢献していくと期待されています。
本記事では、今注目の生成AI企業10選と、それぞれの代表的なサービスや取り組みについて詳しくご紹介します。また、各社の最新動向も合わせて解説することで、生成AI業界の最新情報を網羅できます。
Google AI
Google AIは、Googleが開発する生成AI技術のトップランナーです。**画像生成AI「Imagen」や文章生成AI「Bard」**など、最先端の技術を備えた複数の生成AIモデルを公開し、活発な研究開発に取り組んでいます。
代表的なサービス・取り組み:
- Imagen: 高画質なリアルな画像生成
- Bard: 自然な文章生成、翻訳、質問応答
- Google AI Test Kitchen: 様々な生成AIモデルを体験できるプラットフォーム
OpenAI
OpenAIは、非営利研究団体として2015年に設立されました。**自然言語処理AI「GPT-3」**の開発で知られるだけでなく、ChatGPTなど、様々な生成AIモデルを公開しています。
代表的なサービス・取り組み:
- GPT-3: 人間レベルの文章生成、翻訳、質問応答
- ChatGPT: 自然な会話型AI
- DALL-E: 画像から画像を生成
- Codex: コード生成
Meta AI (Facebook AI)
Meta AIは、Facebookが設立した研究部門です。**画像生成AI「GAN」**の分野で先行しており、生成AIを活用したソーシャルメディア機能の開発に取り組んでいます。
代表的なサービス・取り組み:
- GAN: 高画質なリアルな画像生成
- Make-A-Scene: 呪文(Prompt)から画像生成
- BlenderBot: 会話型AI
- Research @ Meta AI: 生成AI分野における研究論文
Microsoft AI
Microsoft AIは、Microsoftが開発する生成AI技術を統括する部門です。**文章生成AI「LaMDA」やコード生成AI「CodeBERT」**など、幅広い分野の生成AIモデルを開発しています。
代表的なサービス・取り組み:
- LaMDA: 人間レベルの文章生成、翻訳、質問応答
- CodeBERT: コード生成、コード理解
- Azure Cognitive Services: 生成AIを含む各種AIサービス
- Microsoft Research: 生成AI分野における研究論文
NVIDIA AI
NVIDIA AIは、NVIDIAが開発する生成AI技術を統括する部門です。GPUを活用した生成AIに強みを持ち、**画像生成AI「StyleGAN」や音声生成AI「WaveNet」**など、様々な生成AIモデルを開発しています。
代表的なサービス・取り組み:
- StyleGAN: 高画質なリアルな画像生成
- WaveNet: 自然な音声生成
- NVIDIA Omniverse: 3D仮想空間における生成AI
- NVIDIA Research: 生成AI分野における研究論文
Amazon AI
Amazon AIは、Amazonが開発する生成AI技術を統括する部門です。**音声生成AI「Polly」やコード自動生成ツール「Amazon CodeGuru」**など、実用的な生成AIサービスを数多く提供しています。
代表的なサービス・取り組み:
- Polly: 自然な音声生成
- Amazon DeepLens: 生成AIを活用したエッジデバイス
- Amazon SageMaker Studio ML: 生成AIモデルの構築、トレーニング、デプロイ
- Amazon Research: 生成AI分野における研究論文
Tencent AI
Tencent AIは、中国の大手IT企業である騰訊が開発する生成AI技術を統括する部門です。**音声生成AI「WeChat AI Speaker」や画像生成AI「QQ Meitu」**など、様々な生成AIサービスを提供しています。
neoAI
neoAIは、企業向けに生成AI戦略の立案からPoC、開発までを一貫して支援するスタートアップ企業です。
2022年に創業したばかりですが、すでに大手企業や金融機関へ生成AI開発・コンサルティングを提供しています。neoAIで手掛けているのは、主に2種類の事業です。
・法人向けAIソリューション事業
事業に紐づく最適な生成AIの開発・コンサルティングを実施しています。
LLM(大規模言語モデル)におけるプロジェクトの経験・ノウハウをパッケージ化した各種ソフトウェアも用意されています。
また、企業関連のデータを生成AIに記憶させチャットボットを構築する「neoSmartChat」も提供しています。
・エンタメAIサービス事業
「Dream Icon」と「Dream Animal」という2つの画像生成サービスを配信しています。
Dream Iconは自身の写真を送るだけで、生成AIが150枚も違うテイストの自画像アイコンを生成してくれるサービスです。
Dream Animalでは愛犬・愛猫のアイコン画像を生成してくれます。
sakanaAI
sakanaAIは、元Google AIの研究者だったLlion Jones氏とDavid Ha氏によって2023年8月に設立したスタートアップ企業です。
Llion Jones氏は生成AIの革命になったとも称される論文を発表したひとりです。
David Ha氏はGoogle Brainが東京にチームを設立した際のトップとして来日した経歴があります。
Googleを2022年に辞めてからはStability AIの研究トップになりましたが、2023年6月に退社し、sakanaAIを立ち上げました。
まだ立ち上げたばかりということもありますが、明確な事業スケジュールは設定せず、時間をかけて革新的な研究開発に取り組むとしています。
なお、現在はNTTとアーキテクチャの研究開発に協力する連携協定を締結するなど、すでに大手企業との取組みがスタートしています。
ELYZA(イライザ)
ELYZAは東京大学の研究室が開発したディープラーニングをもとに、言語生成AIソリューション事業を手掛ける企業です。
GPTによるDXソリューションの導入から実用化までサポートを行ったり、日本語に特化した言語モデルを用いてビジネス活用を提案したりするなど、言語生成AIを用いた事業が中心です。
入力したテキストを3行に要約する文章要約AI「ELYZA DIGEST」や、キーワードを入力するとその単語を用いて様々な形式の文章を生成できる「ELYZA Pencil」などもリリースしています。
また、2023年12月27日には商用利用も可能な日本語対応のLLMを公開しました。
日本語のテキストを使って事後学習をさせたことで、日本語だけでいえばGPT-3.5を上回る性能としています。
まとめ:生成AI企業の現状と未来展望
本記事では、今注目を集める生成AI企業10選と、それぞれの代表的なサービスや取り組みについて詳しくご紹介しました。
また、各社の最新動向も合わせて解説することで、生成AI業界の最新情報を網羅しました。
生成AIは、様々な分野で革新的なサービスや製品を生み出す可能性を秘めた技術です。
今後は、各企業の技術革新や新たなサービスの登場によって、生成AI市場はさらに拡大していくことが予想されます。
企業にとって、生成AIを活用することは、
- 新規事業の創出
- 業務効率化
- 顧客満足度向上
などに繋がる可能性があります。
一方で、
- 生成AIの倫理的な問題
- 偏見や差別
などの課題も存在します。
これらの課題を克服し、生成AIを正しく活用していくことが重要です。
今後、生成AI技術がどのように発展していくのか、目が離せません。