最近、テレビやネットなどさまざまなメディアで話題となっているChatGPT。
「ChatGPTって何?」
「ChatGPTで何ができるの?」
「AIに仕事を奪われるなんて聞くけどどうなの?」
などなど、ChatGPTに関しては、さまざまな疑問や不安まで感じる方も多いようです。
ChatGPTとは何なのか、どんなことができるのか、どのように活用していけばよいのか、そしてChatGPTに対する考え方まで解説します。
ChatGPTの概要と特徴
ChatoGPTとは、アメリカカリフォルニア州の人工知能開発企業であるOpen AI社か公開した対話型のAI(人工知能)ツールです。
2022年11月に公開されてから、世界中で大きな話題となっており、全世界での利用者数は2023年1月現在ですでに1億人を超えています。
日本国内のユーザー数もすでに100万人を超えており、今後、社会のあり方を大きく変えるテクノロジーとして、政府、公共機関をはじめ、民間企業、そして教育の現場に至るまで、上手な利用方法を模索している状況です。
機械学習により精度の高い文章生成が可能
ChatGPTは事前学習した大量のインターネット上のテキストデータを利用して、文脈を理解ながら質問者のニーズをとらえた適切な回答を生成します。
加えて、日々の人間との会話のやり取りや人間のフィードバックからも学習しており、時間の経過とともに文章生成の精度がどんどん高まっていきます。
これまでも通販サイトなどで見かけるQ&A形式のチャットボットというものはありましたが、あらかじめ用意されたよくある質問に対して、決まりきった回答を返してくるだけで、かならずしもこちらが知りたいことが解決できるものではありませんでした。
しかし、ChatGPTは、入力した文章の文脈や背景、こちら側の意図まで汲み取って回答を返してくれます。
日本語にも対応
日本語は、言葉以外の文脈、行間、コミュニケーションの際の互いの意図を察し合いながら会話をすすめる点が他の言語にはない大きな特徴と言われます。
こうした特徴から、従来型のチャットボットなどでは日本語に完全に対応できているとは言えない側面もありました。
ChatGPTは日本語の特徴でもある言葉に現れない部分、いわば「空気を読む」といったような部分までしっかりと汲み取って回答を返してくれます。
多少、日本語として不明瞭な質問を投げかけたとしても、先回りしてこちら側の質問の意図まで汲み取って、回答してくれます。
文字として現れない、行間を読むといった部分にまで踏みこんで、適切な回答を返そうとしてくる点において、これまでのチャットボットとは比較にならないほど高性能なツールと言えます。
無料で使える(ChatGPT3.5)
2023年5月現在、ChaqtGPTには無料で使えるChatGPT3.5と有料のChatGPT4があります。
ChatGPT4は3.5と比べて回答の精度や創造性、信頼性が向上しており、専門的な分野での利用にも耐えうるようになっていますが、利用するには月額20米ドルの有料プランに登録する必要があります。
無料で使えるChatGPT3.5でも、こちらから投げかける質問を具体的かつ定義を明確にして質問することで、精度の高い回答を得ることは十分可能です。
ChatGPTを使う際の注意点
ChatoGPTはその性能の高さから、全自動で面倒なことを人間に代わってやってくれるといった理解をしている方も多くいるようです。
しかし、ChatoGPTははまだまだ発展途上の部分もあり、やみくもになんでも丸投げの考え方で使うと期待するほどの結果を得られないでしょう。
ChatoGPTを使う際の注意点としては、ChatGPTの強みと弱み、つまりメリットとデメリットをしっかり理解して利用することです。
また、命令文や投げかける質問(プロンプト)はできるだけ具体的に、自分の知りたいことをしっかり言語化することもポイントになります。
ChatGPTのメリット(強み)
精度の高い会話が可能
ChatGPTは人間が入力した言語を解析して、あたかも言語を理解しているかのような自然なテキストによる回答を生成するため、まるで人間と対話しているかのような自然な会話のキャッチボールが可能です。
従来からあるチャットボットとは違って、ChatGPTは会話の文脈、話の流れ、質問の意図まで読み取って受け答えをしてくれます。
同じチャット内であれば、会話の前段の内容もふまえて回答を返してくれるので、投げかける文章が多少乱文であったり、省略している部分が多くても、会話が成立します。
また、会話を重ねることでより具体的な内容で、柔軟に回答内容も変化させて返してくるので、まるで本物の人間を相手にしているかのような、流暢な日本語で返してくれます。
創作力、創造性がある
ChatGPTはネット上の膨大な情報を集めた上で、こちらから投げかけた質問に対して取捨選択して回答を提示してくれます。
この機能により、自分ひとりでは思いもよらない、発想が及ばないような分野でのアイデアや切り口を提示してくれます。
複数人でアイデアを出し合うような会議、いわゆるブレーンストーミング
と同じようなことをChatGPTにやってもらうことも可能です。
人間一人の思考力と発想力では、とうてい及ばないような範囲にまで広げて、情報を拾って回答を返してくれる、この機能こそがChatGPTを上手に活用するための最大のポイントといっていいでしょう。
ChatGPTのデメリット(弱み)
正確性に欠ける
ChatGPTはネット上の情報を機械学習してどんどん賢くなっていくのですが、現時点(2023年5月)では2021年末までの情報を学習している状態です。
そのため、タイムリーな話題をもとに質問すると、誤った回答を返してきます。
例えば、現在の日本の総理大臣は誰ですか?と入力するとこんな回答が返ってきます。
こうした状況でもあるため、ChatGPTの回答そのものが正しいのかどうかのファクトチェックが必要となります。
情報の正確性を重要視するなら、Google、Yahooなどの検索エンジンを使ったほうが効率的です。
プロンプトは具体的かつある程度の条件定義が必要
ChatGPTに入力する命令文や質問をプロンプトと呼びますが、プロンプトが曖昧であったり、前提条件や定義が不明瞭ですと、的外れな回答であったり、意味不明な回答が返ってくる原因となります。
プロンプトはできるだけ具体的に、条件や言葉の定義なども設定することもChatGPTを使いこなす際のポイントになります。
ChatGPTの活用方法
ChatGPTのメリットデメリットをおさえてビジネスに活用するなら、ChatGPTを多数の頭脳の集合体と考えて、アイデアを出してもらう企画会議のような使い方がおすすめです。
詳細な活用方法、使い方はまた別の機会に解説しますが、最終的な回答、欲しい答えを一気に要求するのではなく、プロンプトを工夫して、会話を重ね、段階を踏んで最終的な答えを導くような流れになります。
他にも小説やドラマ、動画などのシナリオ執筆などにも使えそうですが、ChatGPTが返してくる回答は正確性に欠ける部分も多いので、事実に基づくような記事、ノンフィクションの執筆などには向きません。
ChatGPTとの向き合い方
ChatGPTによって社会のあり方が大きく変わることは否めませんが、一部ではAIに人間の仕事が奪われるといった悲観的な議論も出てきています。
結論から言えば、AIに置き換えられる仕事はどんどん増えていくでしょう。
しかし、将来的にはわかりませんが、現状ではAIは自らの意思で働くわけではありません。
あくまで人間の命令によって動くものなので、AIを上手に扱う人、使いこなせる人というのは今後ますますニーズが増えるはずです。
つまり、ChatGPTをはじめとするAIを使いこなせる人には仕事が回ってきますが、使いこなせない人は仕事がなくなると考えてもいいでしょう。
ChatGPTをはじめとするAIとは、仕事を奪い合うような対立する関係と考えるのではなく、人間がAIの特性を理解して上手に使いこなすものと考えるべきものではないでしょうか。