本記事では「ChatGPTってそもそもなんなの?」からスタートして「自社製品で活用するにはどうすればいいの?」というところまでの概要をお伝えしていこうと思います。
ChatGPTで何ができるのか?
簡単に言うと、ChatGPTは「とても物知りなAI(人工知能)」です。そのAIが私たちとチャットの相手をしてくれます。
例えば、以下のようなことができます。
- 私たちが何かを質問すれば答えてくれます。
- 翻訳をお願いすれば、テキストを翻訳してくれます。
- 特定の話題について文章の生成をお願いすれば、生成してくれます。
- 記事・レポート・ストーリー・など、何でも作ってくれます。
- 長い記事の要約をお願いすれば、要約してくれます。
- システムの機能を伝えると、その機能を実現するためのプログラムソースコードを生成してくれます。
- 特定のプログラミング言語やフレームワークを指定することもできます。
- 物事に対する説明や解説。
- 積分などの計算や数学の証明問題を解く。
- 購入する製品の選定を相談する。
- などなど。アイデア次第で何でもできます。
Googleや他のツールとは何が異なるのか?
ChatGPTが他のツールとは異なっている大事なことが1つあります。それは、1回の「お願い→回答」でやりとりを打ち切られてしまわないということです。
チャット形式でのやりとりなので、初めに返ってきた回答に対して、私たちから次のようなリクエストを続けることができます。
- もう少し詳しく説明して。
- XXXというのはどういう意味?
- 他の案は?
- その理由は?
- この部分をXXXに変更したらどうなる?
- この条件も加味して回答して。
- それはXXXとはどう違うの?
このやりとりは、一つの会話スレッドの中で保持・記憶・蓄積されていくので、次のようなこともできます。
- 今までの会話を要約して。
- 今の案はイマイチなので、最初の案をベースにして2番目の案も混ぜてみて。
- それは、さっきのとはどう違うの?
これによって私たちは、まるで人間と会話しているかのように、徐々に必要な情報を与えて、適切な情報を引き出していくことができるようになるのです。
ChatGPTができないこと
一部は公式サイトのLimitationsにも記載されていますが、ChatGPTには、以下のような制限があります。
- 間違っているまたは意味をなさないようなことを、非常にもっともらしく回答してくることがある。
- ある質問に「分からない」などと回答が返ってきても、質問内容を言い換えてみたりすると正しく回答してくることがある。
- 非常に饒舌。一言で回答できるような質問に対しても、こちらが必要としていないような情報まで長々と回答してくる。
- こちらが曖昧な質問や指示をした場合に「このような意味ですか?」「AのことかBのことか、どちらですか?」などと質問して来ずに、一般論を述べたり適当に推測して回答してくる。
- こちらの質問の意図を正しく理解しないまま、トンチンカンな回答をしてくることがある。
- 不適切な内容(暴力的なものなど)は拒否されるようになっているが、拒否されないことや適切なものが拒否されてしまったりすることがある。
- 2022年以降のできごとについて、あまり知らない。
使ってみよう
こちらから無料でユーザー登録すると、すぐに使えるようになります。
Googleアカウントなどでのログインもできるので、1分もあれば使えるようになります。
結局ChatGPTとは、何なのか?
ChatGPTは自然言語AIの学習済みモデルです。
上述のチャットができるサイトやそのシステムのことではありません。
そのサイト・システムで使われているモデル自体のことです。
ChatGPTの仲間達と、その系譜
GPT-3
↓安全性と有用性を高めるようにトレーニング
↓会話の流れに対応できるようにトレーニング
ChatGPT(InstructGPTの兄弟)
ChatGPTを自社製品で活用するにはどうすればよいのか?
ChatGPTの開発元から提供されているもの
OpenAIはGPT-3やChatGPTなどのAIモデルやそれを使うためのAPIを開発・提供している企業です。
OpenAIからはGPT-3を使うためのAPIが提供されています。(モデルそのものが提供されているわけではありません。)
私たちは、このAPIを使って、質問を投げて回答を得るというようなことができます。
ChatGPTを自社製品で利用するには
ChatGPTを使うためのAPIは今のところ「公開予定」で、こちらのWaitlistに登録して利用できるようになる日を待つことができます。
自社製品への組み込みに興味がある方が今のうちにできるのは、次のようなことでしょう。
- まずはWaitlistに登録する。
- GPT-3のAPIを学習し、使ってみる。
- ChatGPTのAPIもおそらくGPTのAPIと似たものになると思われます。今のうちにGPTのAPIを理解しておくことは大きなアドバンテージになるでしょう。
- ChatGPTのサイトから色々なチャットを試し、どのようなことに使えそうか確認してみる。
- アイデアを膨らませたり、ChatGPTの強いところ・弱いところを把握しておくのは、今後の役に立つでしょう。
モデルのカスタマイズ
GPT-3やChatGPTを自社製品やサービスに組み込む際は、そのモデルを自社製用に最適化したいという要求が発生します。
ただ、GPT-3やChatGPTなどはシステムではなくモデルそのものであるため、「ChatGPTのモデルを差し替える」などということはできません。
(ChatGPTのモデルを差し替えるということは、つまり、ChatGPTを使わないということになります。)
ChatGPTのAPIはまだ公開されていませんが、将来的にはGPT-3と同様にfine-tuningができるようになるのではと思います。
追加学習ができるようになれば、自社業務の一部をChatGPTで置き換えるなどといったことも可能になるかもしれませんね。