近年、AIの進化により、さまざまな業界でその活用が進んでいます。特に、テキスト生成AIの進化は目覚ましく、その中でもOpenAIによって開発された「ChatGPT」は注目を浴びています。
ChatGPTは、人間と同じように自然な会話を生成することが可能で、その応用範囲は広範にわたります。そして、そのChatGPTをより便利に、よりパーソナライズされた形で利用するための「ChatGPTプラグイン」について、今回は詳しく解説していきます。
ChatGPT Plugins(プラグイン)とは
ChatGPTプラグインとは、OpenAIが開発した人工知能(AI)であるChatGPTに追加機能を提供するツールのことを指します。
プラグインを用いることで、従来ChatGPT単体ではできなかった処理が可能になります。
ChatGPTプラグインの使い方と設定方法
ChatGPTプラグインの設定方法は以下の通りです。
プラグインの有効化
まずは、プロフィールの右にある「・・・」をクリックしたあと「Settings」をクリックします。
「Beta features」に進み、「Plugins」をオンにします。これにより、プラグイン機能が有効化されます。
プラグインの導入
次に、チャット画面の「GPT-4」から「Plugins」のモデルを選択します。
その後、「No plugins enabled」をクリックします。
「Plugin store」をクリックするとインストールできる画面が表示されます。
プラグインの設定
「Plugin store」では、様々なプラグインが提供されています。ここで、自分が必要とするプラグインを選択し、「Install」を押すことでプラグインを導入できます。導入したプラグインは、チャット画面にチェックマークがついて表示され、これが有効になっているプラグインを示します。
ChatGPTプラグインでできること
ChatGPTプラグインを用いることで、以下のような機能が利用可能となります。
リアルタイム情報へのアクセス
スポーツの結果や株価、最新ニュースなどのリアルタイム情報を取得できます。GPT-3.5 や GPT-4 のデフォルトモデルが学習しているのは 2021 年 9 月までの情報ですが、プラグインを活用すればそれ以降の出来事やニュース、データを考慮した回答を得られます。
後ほど、おすすめのプラグインもご紹介します。
知識ベース情報の取得
ChatGPTプラグインを使用すると、従来のChatGPTでは取得できなかった知識ベース情報の取得が可能になります。
具体的には、特定のプラグインを使用することで、企業内のデータベースや個人が所有する電子ノートなどから情報を取得し、それを基にした回答を提供することが可能になります。これにより、ChatGPTは単なる質問応答ツールから、個々が抱えている情報をもとに回答を出力することができるようになりました。
プラグインは利用規約を確認した上で慎重に利用するべきであり、特に個人情報や機密情報を扱う際には、そのプラグインが適切なセキュリティ対策を講じているかを確認することが重要です。
アクションの実行
ChatGPTプラグインを使用すると、特定のアクションを実行することが可能になります。これは、メールの送信やカレンダーの予定作成など、日常的なタスクを自動化することを可能にします。
このあと紹介する、Zapierというプラグインを使用することで、GmailやTwitterなどと連携し、業務の自動化や効率化が可能です。
おすすめのChatGPTプラグイン10選
ChatGPTプラグインは多数存在しますが、ここでは特におすすめの10選を紹介します。
SEO.app
SEO.appは、ウェブサイトのSEO分析を行うプラグインです。ウェブサイトのURLを入力するだけで、そのサイトのSEOスコアを評価し、改善点を提案してくれます。
すると、質問した記事に対するSEO最適化の提案を5点ほどしてくれました。
SEO初心者には有難い機能になるかと思います。
「SEO.app」は下記のようにアカウントにサインインしないと使用できないため、注意が必要です。
BizToc
BizTocは、ビジネスニュースを提供するプラグインです。世界中のビジネスニュースをリアルタイムで取得し、ユーザーに提供します。
「日本の最新AIニュースについて教えて」と質問した結果が以下の通りです。
全部の3つのニュースを要約して回答してくれました。
情報のソース元が気になったので、「上記のニュースのソース元を教えて」と聞いてみましたが、URLは教えてくれませんでした。
WebPilot
WebPilotは、指定したURLのウェブページを訪問し、その内容を取得するプラグインです。ウェブページの検索や要約、翻訳なども可能です。
URLの指定ができれば、Webサイトだけでなく、PDFファイルやテキストファイル、XMLファイルなど、様々な形式の情報を読み取ることが可能です。
ChatWithPDF
ChatWithPDFは、PDFファイルをアップロードすると、その内容を要約したり、ファイルデータに関する質問に回答するプラグインです。
このプラグインを使用する際には、プラグインをオンにした状態で「PDF をアップロード」と入力します。すると、PDFをアップロードするためのリンクが表示されるので、クリックします。
クリックすると下記のようなページが表示されるので、「Upload Document Here」をクリックし、PDFファイルをアップロードします。
すると以下のようなコードが生成されるので、これをコピーし、ChatGPTで貼り付けます。
そうすると、下記のように「PDFドキュメントがアップロードされました」と返答が来ます。
今回は「進化ゲームと寡占市場の基礎研究」という難しいテーマのPDFファイルを読み込ませてみたので、内容を500字程度で解説してもらいたいと思います。
上記のようにしっかりと要約された内容が回答されました。
Zapier
Zapierは、様々な外部アプリとの連携を可能にするプラグインです。GmailやTwitterなどと連携し、業務の自動化、効率化が可能です。
Video Insights
Video Insightsは、YouTube動画のサマリーや投稿者、投稿日、視聴回数などの情報を取得するプラグインです。
試しに「中田敦彦のYouTube大学」の「【GPT-4の使いこなし方①】AIで仕事を作る人、AIに仕事を奪われる人!使いこなせば未来を掴める」の概要を聞いてみました。
上記のように動画の要約をしてくれた最後に、動画の再生数や投稿日、いいねの数などの概要も教えてくれます。
食べログ
食べログプラグインは、日付と人数を指定し、予約可能なレストランを検索することができます。リンクから対象のページに飛んでそのまま予約も可能です。
今回は「19時」「東京駅周辺」「2人」の条件で質問してみました。
すると上記のように、おすすめのお店の情報を画像付きで教えてくれます。また、お店の名前のリンクをクリックすることで、食べログのページにとぶことができます。
Expedia
Expediaプラグインは、旅行予約サイトExpediaの情報を取得するプラグインです。ホテルの予約やフライトの情報などを取得することができます。
今回は日程も決めずに、「ユニバーサルスタジオジャパンに行きたい」という内容だけ伝えてみました。
日程を指定していなくても、1か月後あたりを目安に回答してくれました。また、ホテルの情報を簡潔にまとめてくれます。
価格.com
価格.comプラグインは、商品の価格比較を行うことができます。商品名を入力すると、その商品の最安値を表示します。
試しに「3万円以下で買えるヘッドフォンを探して」と質問してみました。
ヘッドフォンの商品情報を条件に沿って出力してくれました。また、商品名のリンクをクリックすると、価格ドットコムの商品ページにとぶことができます。
Show Me
Show Meは、画像検索を行うプラグインです。特定のキーワードを入力すると、そのキーワードに関連する画像を表示します。
今回は「自然言語処理の仕組みについて図解で教えて」と聞いてみました。
上記のように図解で回答をしてくれました。
また、図解と同時に図解を編集できるページリンクが送られるので、そのリンクをクリックすることで図解の編集を行うことができます。
ChatGPTプラグインを活用する際の注意点と対策
ChatGPTプラグインを活用する際には、以下の点に注意が必要です。
GPT-4でのみ利用可能
ChatGPTプラグインは、GPT-4でのみ利用可能です。GPT-3.5やそれ以前のバージョンでは、プラグイン機能は利用できません。
海外製ツールへの対応が多い
現在提供されているChatGPTプラグインの多くは、海外製のツールに対応しています。そのため、日本国内のサービスに対応したプラグインは少ないのが現状です。
ただ、食べログをはじめ価格ドットコムなど、日本企業も次々と進出していますので今のうちに使い慣れておくと良いでしょう。
予期せぬ動作の可能性がある
プラグインは、ChatGPTの機能を拡張するためのものですが、それぞれのプラグインが提供する機能や動作は、プラグインの開発者によって異なります。そのため、プラグインを使用する際には、予期せぬ動作が起こる可能性があることを理解しておく必要があります。
また、ChatGPT Pluginは3つまで同時に使用することができますが、現状だとかなりエラーが起きやすいため、確実に使うには1つに絞ることをおすすめします。
chatgpt pluginでよく聞くwaitlistとは?
ChatGPTプラグインのwaitlistとは、新しいプラグインがリリースされた際に、そのプラグインを早期に試すことができるリストのことを指します。waitlistに登録することで、新しいプラグインのリリース情報をいち早く得ることができます。
例えば、今後リリースが予定されている「MULTI・ON」というプラグインでは下記の公式ページでwaitlistに登録することができます。
公式ページ:https://multion.ai/
まとめ
ChatGPTプラグインは、AIの可能性をさらに広げるツールであり、その活用方法は無限大です。自分のニーズに合わせて最適なプラグインを選び、ChatGPTの可能性を最大限に引き出しましょう。
よくある質問
ChatGPTプラグインとは何ですか?
ChatGPTプラグインは、ChatGPTの機能を拡張するための追加ツールです。これにより、ChatGPTはリアルタイム情報の取得や特定のアクションの実行など、様々な機能を提供することが可能になります。
ChatGPTプラグインは何ができますか?
ChatGPTプラグインは、ChatGPTの機能を拡張し、より多様な情報提供やタスク自動化を可能にするため、非常に有用なツールと言えます。しかし、プラグインの利用には注意が必要であり、特に個人情報や機密情報を扱う際には、そのプラグインが適切なセキュリティ対策を講じているかを確認することが重要です。
ChatGPTプラグインの中で最も良いプラグインは何ですか?
ChatGPTプラグインの中で最も良いプラグインは、ユーザーのニーズによります。例えば、リアルタイム情報の取得が必要な場合はWebPilotプラグイン、タスク自動化が必要な場合はZapierプラグインが適しています。
ChatGPTプラグインのインストール方法は?
ChatGPTプラグインのインストールは、プラグインストアから行います。プラグインストアで必要なプラグインを選択し、インストールボタンをクリックすることでインストールが完了します。
ChatGPTプラグインはどのようにして使いますか?
ChatGPTプラグインの使い方は、プラグインによります。一般的には、プラグインをインストールし有効化した後、チャット画面で特定の入力を行うことでプラグインの機能を利用することができます。具体的な使い方は、各プラグインのマニュアルを参照してください。