およそ2人に1人が不採択となるとされているIT導入補助金。事業者様においては「IT導入補助金は難しい」という印象をうける方も少なくありません。
しかし、IT導入補助金はポイントをしっかりと抑えておけば、様々なITツールに活用できる使い勝手の良い補助金であり、国としてもなるべく採択率をあげたいという意向があるためか、公募要領やウェブサイトも年々分かりやすくなっています。
IT導入補助金 が 難しい 4つの理由 とは
IT導入補助金が難しい理由は次の4つと考察しています。
- 課題の解決ではなくITツールの購入が目的となっている
- 課題を解決できる最適なITツールが分からない
- 申請枠が多いため、何枠で申請したら良いか分からない
- 申請対象者がよく分からない
それでは詳しく解説していきます。
課題の解決ではなくITツールの購入が目的となっている
IT導入補助金はITツールを導入する補助金のため事業者においても「どんなITツールを導入するか」にかける時間が多くなることが多々あります。
ただ、IT導入補助金は、どんなITツールを導入するかということと同じくらい「なぜ、そのITツールを導入するのか」「そのITツールを導入することで会社のどんな課題を解決したいのか」ということも検討することが大切です。
このことは、IT導入補助金の公式ウェブサイトに掲載されている導入実績からも読み取ることが可能で、紹介されているほぼ全ての事例において、ITツールそのものに加え「なぜそのITツールを導入したのか」「そのITツールで何を解決したいのか」ということが、しっかり紹介されています。
課題を解決できる最適なITツールが分からない
よくある相談の1つは「そもそもどんなITツールがあるのか分からないから、何を解決できるのかも分からない!」というものです。日々、便利なITツール(ソフトウェアやアプリ)が誕生する一方で、個々のITツールの情報収集をどうしたら良いか分からないという悩みがあるのではないでしょうか。
そういう場合でも、まずは、「なぜそのITツールを導入したのか」「そのITツールで何を解決したいのか」ということを具体的に考えていきましょう。それが明確になれば、漠然と情報収集するのに比べ非常に効率的に実施する事ができます。
より効率的に行う場合には、補助金のコンサルタントに相談するのも一手です。当社でもIT導入補助金に関するお悩みをお受けしておりますので、ぜひ、お気軽にご相談ください。
申請枠が多いため、何枠で申請したら良いか分からない
IT導入補助金が難しいとされる理由の1つに「どの申請枠で申請したら良いのか分からない」ということがあります。特に、IT関係の用語に親しみのない場合には、こうした悩みを強く感じる事が多いです。
IT導入補助金では、現状、通常枠とデジタル化基盤導入枠という枠が存在します。また、それぞれの枠で補助対象となる事業も異なり、申請内容にあった申請枠を選択する必要があります。
申請対象者がよく分からない
IT導入補助金は、公募要領において「申請の対象外となる事業者」が記載されています。そのため申請の要件を満たしているように見えるが、実は申請の対象外であるというケースが稀にあります。
基本的には、IT導入補助金は日本国に登記され日本国内で事業を行う中小企業事業者等が申請対象者となりますが、その上で、申請対象外となってしまう場合があります。
IT導入補助金とは?採択率は?
IT導入補助金の採択率は過去から現在まで含めて平均的な採択率はおよそ55%です。
ものづくり補助金がおよそ60%程度とすると難易度は難しめになっています。
なぜなら、たった5%程度と考えられるかもしれませんが、母数が数千件となってくるため採択されない件数が多くなってくるからです。
採択率が低いだけでなく、ITツールの導入を任せる業者選定も申請までに行なわなければならないので、総じて難易度が高い補助金といえるでしょう。
この前提をもとにIT導入補助金とは何かを深堀りしていきます。
今さら聞けないIT導入補助金とは?
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者(個人事業主)がITツールを導入して業務効率化を行うときに利用できる補助金です。
この定義に使われるITツールとは、会計ソフトやクラウドサービス、それに伴うパソコン周りの導入まで幅広いものを指しています。
また業務効率化という目標は、これらのITツールを使った事業計画期間において労働生産性の向上や給与の向上・賃上げの実施が行われることです。
IT導入補助金の採択率は低い?
先ほど冒頭部分でお伝えしたように、IT導入補助金の採択率はものづくり補助金と比べて低めに設定されているため、補助金担当者やオーナーが自ら作成した文章だと採択されない可能性があります。
しかし、第5次事業再構築補助金の採択率46%よりは断然高い値になっています。
そのため後ほど紹介するように申請代行を利用すれば、高い確率で補助金獲得ができるでしょう。
IT導入補助金の対象となる経費は?
IT導入補助金の対象となる経費を大まかに分類すると次のとおりです。
通常枠 | ソフトウェア費・クラウド利用費(最大1年分)・導入関連費 |
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デジタル化基盤導入類型 | ソフトウェア購入費・クラウド利用費(最大2年分)・導入関連費・ハードウェア購入費 |
複数社連携IT導入類型 | ソフトウェア購入費・クラウド利用費(最大2年分)・導入関連費・消費動向等分析経費・参画事業者をとりまとめるための事務費・外部専門家謝金・旅費 |
このように通常枠よりも規模が拡大するにつれて利用できる経費が多くなっていきます。
IT導入補助金の利用条件とは?
IT導入補助金通常枠の利用条件は申請できる対象者が中小企業もしくは小規模事業者(個人事業主)、かつ交付申請の直近月において事業場内で最低賃金が法令上の地域別最低賃金以上であることです。
これらが主な申請要件となっていますが、その他の要件をまとめると次のとおりです。
“
- 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」または「★★二つ星」いずれかの宣言を行うこと
- 交付申請の際、1申請者につき、必ず申請者自身が管理する1つの携帯電話番号を登録すること
- 補助事業を実施することによる労働生産性の伸び率の向上について、1年後の伸び率が3%以上、3年後の伸び率が9%以上及びこれらと同等以上の、数値目標を作成すること
”
※IT導入補助金2022公募要領通常枠(A・B類型)版より一部抜粋
この要件はあくまで通常枠の要件のため、他の類型の申請をする場合には違う要件がある点に注意しましょう。
IT導入補助金の申請方法とは?
IT導入補助金の申請方法は次のとおりです。
- IT導入支援事業者の選定・ITツールの選択
- gBizIDプライムアカウントの取得、SECURITY ACTIONの実施
- gBizIDプライムアカウントを利用してIT導入支援事業者と書類を共同提出
このように進んでいきます。
IT導入補助金の交付を受けるためには、他の業者との連携が必要になる点に注意しましょう。
仮に申請代行業者を使わない場合には、これらの事業者選定をほぼすべて自ら行う必要があります。
IT導入補助金の採択率を上げる方法とは?
ここまで深堀りしてきた難易度が難しいIT導入補助金ですが、採択率を上げるための方法ためには次のアクションを行う必要があります。
- IT導入補助金の事業概要を深く知る
- 現実的な事業計画を練る
- 補助金の専門家に申請代行を依頼する
それぞれ解説していきます。
IT導入補助金の事業概要を深く知る
公式ページにも書かれていますが、IT導入補助金を交付されたい事業者は事業計画を策定するためにも補助金の目指すゴールを明確に知っておく必要があります。
補助金事業概要を知るためのステップとしては次のとおりです。
- 公式ページに行く
- 概要動画を見る
- 交付規程を見る
- 公募要領を見る
ここまでで補助金申請に慣れている方であれば、数時間程度はかかるでしょう。
それに加えてわからない箇所に関しては、別途リサーチや専門家の意見を仰ぐようにすると完璧です。
現実的な事業計画を練る
先ほどの事業概要を知ったあとは現実的な事業計画を練っていきましょう。
なぜなら、事業計画提出は必須要件であり、現実的な到達ラインが達成できなければ交付金の一部返還もしくは全部返還をしなければならないからです。
仮に荒唐無稽な事業計画を作成してしまうと、計画を達成できずペナルティを受けてしまう恐れがあるため十分に注意して下さい。
もちろん、交付規程や公募要領に記載されている要件をすべて満たす事業計画であることは必須です。
専門家に申請代行を依頼すること
ここまでの採択率を上げる方法を見ていると、IT導入補助金の採択に必要な申請書類をきちんと自らの手で仕上げられるか心配になる方もいるでしょう。
そんなときは補助金の専門家に申請代行を依頼する方法もあります。
補助金は採択されれば返還不要の資金が交付されますが、採択されなければ資金は交付されません。
専門家に申請代行を依頼すれば、今までお伝えしてきた難しい内容を大幅にショートカットできますし、利用料のほとんどは交付された金額の中から支払えばいいだけになります。