これからIT補助金の申請をお考えですか。
2023年7月以降でも申請可能なIT導入補助金について詳しく知りたい
いつまでに申請すれば良いのか
こんな疑問をお持ちの方へ。この記事では、IT補助金について内容や申請のフロー、スケジュール、7月以降の申請について詳しく解説していきます。
IT導入補助金の申請期限はいつまで?
2023年度も後半に入る時期となりますが、IT導入補助金についての事務は現在「前期事務局」が担当しています。
8月1日から「後期事務局」に担当が変わりますが、後期の詳しい情報については電話番号のみで、Webサイトはまだ公開されていません。
6月26日現在、次のような締め切り期限が公開されています。
IT導入支援事業者の登録申請 | 登録申請 | 2023年3月20日(月)受付開始〜2023年7月10日(月)17:00 |
ITツールの登録申請 | 募集期間 | 2023年3月20日(月)受付開始〜2023年7月18日(火)17:00 |
交付申請期間 | 募集期間 | 2023年3月28日(火)受付開始〜2023年7月31日(月)17:00
デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)受付終了時期は後日案内予定 デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)2023年6月20日(火)受付開始〜終了時期は後日案内予定 |
引用:IT導入補助金2023
https://www.it-hojo.jp/
質問などは、7月31日まで前期事務局にすることができます。
IT導入補助金2023 公式サイト(前期)の問い合わせ窓口は次のようになっています。
IT導入補助金2023 公式サイト
https://www.it-hojo.jp/
「よくあるご質問」
https://www.it-hojo.jp/faq/
問い合わせ窓口について
https://www.it-hojo.jp/inquiry/
コールセンター
電話番号 0570-666-424
IP電話番号 042-303-1490
IT導入補助金とは?
IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者等が、自社の課題やニーズに合った ITツールを導入するための経費の一部を補助することで、業務効率化や売上アップをサポートするものです。
補助対象となる事業者について
事務局公式サイト
https://www.it-hojo.jp/applicant/subsidized-works.html
中小企業・小規模事業者の定義、その他要件に該当する必要があります。
現在、補助金には5つの枠があります。目的によって該当する枠を選んで申請します。
通常枠(A・B類型)
セキュリティ対策推進枠
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)
デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)
また、事務局やIT導入支援事業者の役割については、下図を参考にしてみましょう。
引用:IT導入補助金2023
IT導入補助金で導入できるもの
IT導入補助金で導入できるものには次のようなものがあります。5つの枠に分けて解説します。
【通常枠】
自社の課題に合ったITツールが導入できます。
調達・供給・在庫・物流/総務・人事・給与・労務/顧客対応・販売支援
具体的にはこのような事例が紹介されています。
・宿泊業…複数の宿泊予約サイトを一元管理
・建設業…3次元CADの活用で提案力が向上
・医療…電子カルテシステム導入で診察効率向上
・製造業…RPAの活用で業務時間を大幅削減
・介護業…勤怠管理と請求業務効率化システムを導入
・卸・小売業…販売管理で経営に関する情報の一元管理
【セキュリティ対策推進枠】
サイバー攻撃による潜在リスクを踏まえ、サイバーインシデントが引き起こす様々なリスクの低減を支援するものです。
補助対象は「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の導入のみとなっています。
サイバーセキュリティお助け隊サービスについて
https://www.ipa.go.jp/security/otasuketai-pr/index.html#service_title
【デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)】
デジタル化基盤導入枠は、さらに3つの類型に分かれています。こちらはデジタル化基盤導入類型です。
導入できるものには次のようなものがあります。
PC・タブレット等のハードウェア購入費用
会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフト
クラウド利用料を最大2年分
【デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)】
複数の中小・小規模事業者が連携してITツールやハードウェアを導入することにより、地域DXの実現や生産性の向上を支援するものです。
例えばこんな使い方があります。
・適格インボイス制度に向けた取り組み(会計ソフト、決済ソフト、ECソフトなどの導入)
・特定の商圏における異業種間におけるデータ連携(会計ソフト、受発注ソフトなど)
・参画事業者間で法人間決済ネットワークを構築、決済手続きを効率化(デジタル加盟口座など)
・地域全体でキャッシュレス化を促進(電子地域通貨、キャッシュレス対応レジなど)
・ECサイト導入による的確なニーズ把握(ECソフト、アクセス解析システムなど)
・需要予測システムなどによる顧客の情報分析(需要予測システム、POSレジなど)
・人流分析、消費者分析など(AIカメラ、アプリなど)
・電子アンケート、電子ポイント、電子商品券などの配布可能なシステムやアプリ導入
・地域の課題解決のためのデータ分析システムの導入
【デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)】
中小企業・小規模事業者等と取引をしている事業者が、インボイス制度に対応した受発注機能を有するITツールを導入する場合に、その費用の一部を補助するというものです。クラウド型ソフトウェアが対象で、クラウド利用料(最大2年分)が補助対象となります。
交付申請受付が6月20日に始まったばかりなので、導入事例等はありませんが、出版社、建設会社、タレントマネジメント会社など、多数の取引先と事業を行っている企業を想定して作られた制度です。
IT導入補助金の補助額・補助率
IT導入補助金の補助額や補助率は枠や類型によって違います。補助額の上限額・下限額と補助率は次のようになります。
【通常枠(A・B類型)】
A類型 B類型
補助上限額・下限額 5万円〜150万円未満 150万円〜450万円以下
補助率 1/2以内 1/2以内
【セキュリティ対策推進枠】
補助上限額・下限額 5万円〜100万円
補助率 1/2以内
【デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)】
補助上限額・下限額 (下限なし)〜50万円以下 50万円超〜350万円
補助率 3/4以内 2/3以内
ハードウェア購入費用
PC・タブレット・プリンタ等 レジ・券売機
補助上限額 10万円 20万円
補助率 1/2以内 1/2以内
【デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)】
デジタル化基盤導入類型の要件に属する、「基盤導入経費(1)」については、「デジタル化基盤導入類型」と同様です。
デジタル化基盤導入類型の要件に属さない複数社類家特有の経費については以下の通りです。
消費動向等分析経費(2) 代表事業者が参画事業者を取りまとめ るために要する事務費、外部専門家謝 金・旅費(3)
補助額 50万円×グループ構成員数 ((1)+(2))×10%×補助率2/3 または200 万円のいずれか低い方
補助上限額 3000万円 200万円
補助率 2/3以内 2/3以内
【デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)】
補助額 (下限なし)〜350万円
補助率 中小企業・小規模事業者等:2/3以内/その他の事業者等:1/2以内
引用:IT導入補助金2023
https://www.it-hojo.jp/
IT導入補助金の要件
IT導入補助金の補助対象となる事業者や事業、ITツールの要件があり、該当する場合に限ります。とても細かく指定されているので、確認しておきましょう。
補助対象について
IT導入補助金2023公式サイト
https://www.it-hojo.jp/applicant/subsidized-works.html
また、交付申請の要件をチェックするために、次の3つのツールが必要です。
gBizIDプライムアカウントの取得
SECURITY ACTIONの実施
みらデジの経営チェック実施
IT導入支援事業者について
IT導入補助金2023公式サイト
https://www.it-hojo.jp/applicant/vendorlist.html
IT導入支援事業者とは、申請者と一緒に補助事業を実施する、共同事業者(パートナー)のことです。
中小企業・小規模事業者等の生産性向上のために、ITツールの提案・導入、経営診断ツールを利用した事業計画策定など、申請の手続きサポートを行います。
IT導入支援事業者が事務局に登録し、認定を受けたITツールのみが補助対象となりますのでご注意ください。
またお近くのIT導入支援事業者や具体的な ITツールを調べるには、上記公式サイトのボタンから検索してみましょう。
IT導入補助金申請のフロー
IT導入補助金申請の流れは次のようになります。「複数社連携IT導入類型」は、他の類型と申請の流れが異なりますので、後ほど別途説明します。
交付決定の連絡が届く前に発注や契約、支払いなどをした場合は、補助金の交付を受けることができませんので、ご注意ください。
【デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)以外】
こちらは、「通常枠(A・B類型)」「セキュリティ対策推進枠」「デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)」「デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)」の4類型が当てはまる流れです。
1.IT導入補助金事業を理解する
公募要領などをよく読んでおきましょう。
2.IT導入支援事業者・ITツールを選択する
自社の課題を分析し、パートナーとなる事業者やツールの候補を選んでおきましょう。
3.交付申請前に交付申請要件チェックを実施
gBizIDプライム
SECURITY ACTION
みらデジ
こちらをダウンロードし、チェックを実施しておきます。
4.交付申請
IT導入支援事業者と商談を進め、共同作成し提出します。
5.ITツールの発注・契約・支払い
事務局から「交付決定」を受けた後に、ITツールの発注・契約・支払い等をすることができます
6.事業実績報告
補助事業の完了後、実際にITツールの発注、契約、納品、支払い等をしたことがわかる
証憑を添付して事業実績報告書を提出します。
7.補助金交付手続き
実績報告が完了すると補助金額が確定します。補助額は、申請マイページから確認できるようになります。内容の確認後に補助金が交付されます。
8.事業実施結果報告
申請マイページから必要な情報を入力し、IT導入支援事業者の確認を経て、期限内に提出します。
引用:IT導入補助金2023
https://www.it-hojo.jp/
【デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)】
「複数社連携IT導入類型」の申請の流れは次の通りです。
公式サイト
https://www.it-hojo.jp/r04/doc/pdf/r4_application_guidelines_fukusu.pdf
1.事前準備
補助事業グループ、代表事業者の決定
IT提供事業者、外部専門家の選定
補助事業計画の立案
ITツールの選定・商談・見積もりなどの依頼
代表者によるgBizIDプライムの取得・SECURITY ACTION宣言
2.交付申請
交付申請の取りまとめ
代表事業者がjGrantsにて申請する
交付決定通知を受ける
3.事業実施:交付決定後
ITツールの契約・納品・支払い・外部専門家によるアドバイス
事業実績報告の作成と提出
確定通知・補助金の受領
4.補助金交付後
ITツール導入後のアフターフォロー
事業実施効果報告の作成と提出
IT導入補助金のスケジュール
2023年7月以降、申請可能なIT導入補助金のスケジュールは次の通りです。
昨年度は12月から翌年の2月まで募集がありました。まだ8月以降の計画が発表されていませんが、わかっている情報をお伝えします。
※日時は全て2023年です。「2023年」と曜日の記入は省略します。
【通常枠(A・B類型)】
締切日 | 交付決定日
(予定) |
事業実施期間 | 事業実績報告期限 | |
3次締切分 | 7月10日17:00 | 8月22日 | 交付決定〜11月30日17:00 | 11月30日17:00 |
4次締切分 | 7月31日17:00 | 9月12日 | 交付決定〜11月30日17:00 | 11月30日17:00 |
【セキュリティ対策推進枠】
締切日 | 交付決定日
(予定) |
事業実施期間 | 事業実績報告期限 | |
3次締切分 | 7月10日17:00 | 8月22日 | 交付決定〜11月30日17:00 | 11月30日17:00 |
4次締切分 | 7月31日17:00 | 9月12日 | 交付決定〜11月30日17:00 | 11月30日17:00 |
【デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)】
締切日 | 交付決定日
(予定) |
事業実施期間 | 事業実績報告期限 | |
5次締切分 | 7月10日17:00 | 8月22日 | 交付決定〜11月30日17:00 | 11月30日17:00 |
6次締切分 | 7月31日17:00 | 9月12日 | 交付決定〜11月30日17:00 | 11月30日17:00 |
【デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)】
締切日 | 交付決定日
(予定) |
事業実施期間 | 事業実績報告期限 | |
2次締切分 | 7月31日17:00 | 9月中旬 | 交付決定〜12月22日17:00 | 12月22日17:00 |
【デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)】
締切日 | 交付決定日
(予定) |
事業実施期間 | 事業実績報告期限 | |
1次締切分 | 7月10日17:00 | 8月22日 | 11月30日17:00 | 11月30日17:00 |
2次締切分 | 7月31日17:00 | 9月12日 | 11月30日17:00 | 11月30日17:00 |
引用:IT導入補助金2023
https://www.it-hojo.jp/
まとめ
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者向けにIT導入を進め、業務を効率化し生産性UPを支援するための補助金です。
IT導入補助金は5つの枠(類型)があり、それぞれに要件が細かく規定されています。募集要項や公式サイトをよく読んでからIT導入支援業者やITツールを選択しましょう。
契約や支払いのタイミングは、交付決定通知を受けてからとなりますので、注意してくださいね。