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生成AI(ジェネレーティブAI)とは?仕組みや特徴などわかりやすく解説

近年注目を集める人工知能技術の一つである生成AI (Generative AI)は、従来のAIとは異なり、新たなデータを生成する能力を持っています。

本記事では、生成AIの仕組みや特徴について詳しく解説します。また、主要な生成AIの種類と代表的なツールについてもご紹介します。

生成AIの仕組みや特徴

従来のAIは、大量のデータに基づいて過去の傾向を予測したり、分類したりするという機能が中心でした。一方、生成AIは、学習したデータに基づいて新たなデータを生み出すことができます。

生成AIのこの特徴は、以下の2つの技術によって実現されています。

  • 機械学習: 大量のデータからパターンを学習し、そのパターンに基づいて新たなデータを作成する手法
  • ディープラーニング: 人工ニューラルネットワークを用いた学習方法で、複雑なデータのパターンをより精度高く学習することが可能

生成AIの種類・できること

生成AIには、テキスト生成や画像生成、動画生成、音声生成などさまざまな種類があります。それぞれの性質に適した活用方法を選択することで、これまで人間の手で行っていた作業を大幅に効率化したり、思いつかなかったアイデアを形にしたりすることが可能になります。

ここでは、生成AIが消費者や企業にもたらす価値を解説します。

 

生成AIは、以下の4つの主要な種類に分類されます。

テキスト生成

  • 小説や記事、広告文などの文章を生成
  • 要約、翻訳なども可能

画像生成

  • 写真やイラストなどの画像を生成
  • テキストベースで指示をすることも可能

動画生成

  • 静止画やテキスト情報に基づいて動画を生成
  • 音楽を追加することも可能

音声生成

  • ナレーションや音楽などを生成
  • 文章を音声に変換することも可能

生成AIに用いられるモデル一覧

生成AIには、様々なモデルが用いられています。

ここでは、代表的な4種類の生成モデルについて解説します。

GPT

GPTとは、アメリカのOpenAIが開発した自然言語処理モデルです。2023年6月時点では「GPT-4」まで公開されており、非常に高い言語処理能力を有しています。

GPTが活用されている最も著名なサービスは、同社が開発している「ChatGPT」です。GPTの高精度な自然言語処理を活用して、人間が書いているかのような自然な文章を出力することが可能です。

近年ではMicrosoft社の検索エンジン「bing」と提携し、検索エンジン上でGPT-4を融合したAIを使用することもできるようになっています。

VAE

VAE(Variational Auto-Encoder)は画像生成AIに採用されている生成モデルの一つです。「変分オートエンコーダー」というディープラーニング技術が活用されています。AIに与えた学習用データの特徴を抽出し、そのデータの性質を持った新たな画像を生成できる点が特徴です。

たとえば、あるイラストレーターの作品を大量に学習させると、VAEはそのイラストレーターの作品の絵柄を持った新たなイラストを生成できるようになります。著作権侵害の懸念や問題はありますが、利便性の高いモデルです。

GAN

GAN(Generative Adversarial Networks)も画像生成AIに活用される生成モデルですが、VAEとは画像を生成する際の流れが異なります。GANは「Generator(生成器)」と「Discriminator(識別器)」の2種類のネットワーク構造を競わせることで、より高度な画像を生成する仕組みです。

ランダムに生成された画像であるGeneratorは、学習用の正しい画像であるDiscriminatorに近づこうとして精度を高めていきます。何度も繰り返しGeneratorとDiscriminatorを比較することで、解像度の高い画像を生成します。

拡散モデル

拡散モデルはGANの進化系ともいえるモデルです。

学習用の画像に追加したノイズを徐々に取り除き、もとになる画像を復元することで画像生成のプロセスを学習していきます。ノイズを除去した後の画像を元画像にできるだけ近づけるプロセスを何度も繰り返すことで、より高精度な画像を生成できます。

後述する画像生成AIの「DALL-E 3」など、多くの画像生成AIサービスにも拡散モデルが活用されています。

 

生成AIを活用したサービス例や技術

生成AIは、様々なサービスや技術に活用されています。

ChatGPT

OpenAIが開発した大規模言語モデルのチャットボット

Gemini

Google AIが開発した画像生成AI

Canva

AIを活用したデザインツール


生成AIの業務活用シーン

生成AIは、様々な業務で活用することができます。

文章の要約

テキスト生成AIを活用すると、文章の要約が可能です。要約したい文章を入力して「この文章を要約してください」と指示するだけで、長文の要点をくみ取ってコンパクトな文章にまとめてもらえるので、会議資料の作成時などに重宝します。

また、Webサイトに掲載されているニュース記事などの要約を依頼して要点を押さえるなど、情報収集に活用できる側面もあります。ただし、出力された情報が誤っていないかどうかは慎重に検証することが大切です。

キャッチコピーのアイデア創出

テキスト生成AIは、新たなアイデアを求めているときにも役立ちます。商品やサービスのキャッチコピーが思い浮かばないときに「○○の商品につけるキャッチコピーのアイデアが欲しい」と指示するだけで、軽く手直しすれば使えるようなキャッチコピーの候補をいくつか提示してくれます。

これまでは自分で考えなければならなかったアイデアも、文章生成によって簡単に生成できるため、クリエイティブな業務にかかる時間を短縮できます。

会議音声の文字起こし

文字起こしAIに会議の内容を録音した音声データを入力すると、音声データの内容を自動的にテキスト化することができます。これまでは音声データを聞き返しながら手動で文字起こしを行っていた作業を自動化できるため、議事録作成などの手間がかかる作業の効率化につながります。

会議が頻繁に開催される職場など、テキスト化しなければならない音声を大量に扱っている現場において特に重宝するでしょう。

 

今後の展望

ものすごい勢いで発展する生成AIですが、今後の展望について記載します。

生成AIの精度向上

生成AIの精度が向上することで、より精巧なデータ生成が可能になる

新たな生成AIモデルの開発

現在の生成AIモデルとは異なる、革新的なモデルが開発される可能性

生成AIと人の協働

生成AIと人それぞれが得意とする役割を担い、協力することで、より優れた成果を生み出す

生成AIの倫理的な課題への対応

生成AIの偏見や差別などの問題に取り組む必要がある

 

まとめ

生成AIは、私たちの生活や仕事を変える可能性を秘めた技術です。

本ブログ記事でご紹介した内容を参考に、生成AIについて理解を深め、積極的に活用していくことが重要です。

生成AIと人間がうまく協働することで、より創造的な未来を実現することができます。

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