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ChatGPTとは?話題のAIチャットシステムの使い方や仕組みを解説!

近頃、ネットやテレビなどのメディアで毎日のように目にする「ChatGPT(チャットジーピーティー)」という名称。
AI(人工知能)を用いたチャットシステムであることは何となく分かったけれど、

「具体的にどのように使うものなのか」
「いままでの“チャットボット”とどう違うのか」
「これほどまでに世間を騒がせている理由は?」
などの疑問を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、ChatGPT(チャットジーピーティー)とは何なのかを、まだ使用したことがない方にも分かるように解説します

ChatGPT(チャットジーピーティー)とは

ChatGPT(チャットジーピーティー)とは

ChatGPTの概要

ChatGPT(正式名称:Chat Generative Pre-trained Transformer(文章生成モデル))とは、まるで人間と会話しているかのような、自然な会話を楽しめる対話型AIチャットサービスのことです。
入力された質問に対して高度な回答が可能で、個人・企業を問わず、さまざまな場面で活躍するポテンシャルを秘めています。

米・サンフランシスコのOpenAI社が開発し、2022年11月30日に無料版の「ChatGPT-3.5」をリリース。
リリース直後から世界中の注目を集め、驚異的なスピードで利用者数を増やしています。
さらに、2023年3月15日にはより快適に使える有料版の「ChatGPT-4」をリリースするなど、話題はまだまだ尽きそうにありません。

従来の“チャットボット”との違い

ChatGPTが従来の“チャットボット”と大きく異なる点は、

  1. 自然かつ流暢な文章を生成し、人間を相手にしているような感覚で「会話」できる
  2. インターネット上の膨大なテキストデータから学習しており、回答可能な領域が幅広い

の2点です。

従来のチャットボットの場合、質問に対して事前に設定された答えを返すことは可能でしたが、想定されていない質問に回答することは困難でした。
一方、高度な自然言語処理技術を使用したChatGPTは、文意や文脈を理解しながら、より柔軟に回答を生成できます。
また、ユーザーに使用されるたびに、より高度な自然言語処理能力を獲得することも可能なため、 ChatGPTは“成長”していく対話型AIチャットボットとも言えそうです。

さらにChatGPTは、WEBページ、ニュース、書籍、ブログ、ツイートなどのインターネット上にある膨大なテキストデータから学習しており、回答できるジャンルの幅が広い点も特徴的です。
例えば、一般的な知識やニュース、科学技術、エンターテインメント、スポーツ、ビジネス、医療、教育、歴史、文化などに関する質問への回答が可能です。
ただし、機械学習に基づく技術を使用していることから、情報の正確性・詳細性には限界があります。
また、倫理的な問題やプライバシーの問題がある場合には、回答を控えることもあります。

バージョン:GPT-3.5とGPT-4の違い

ChatGPTには

  • 無料で使える「GPT-3.5」
  • 月額20ドルの有料プラン、ChatGPT Plusの登録者だけが使える「GPT-4」

の2バージョンが存在し、GPT-4はGPT-3.5の後継バージョン=上位互換と言えます。

GPT-4はGPT3.5に比べて、回答の精度、信頼性、創造性、安全性などが向上しており、より専門的かつ複雑な質問への対応力や、音楽・絵・脚本をはじめとしたクリエイティブな用途への応用力が強化されているとのことです。

また、GPT-4にのみ解放されている機能もありますので軽くご紹介します。

「Webブラウジング機能」で最新の情報も扱える(GPT-4のみ)

ChatGPTは2021年9月までのデータセットを元に作られているため、最新の情報には対応していません。
それは無料版のGPT-3.5/有料版のGPT-4ともに共通です。

しかしGPT-4には、Web上の情報を探し回る「Webブラウジング機能」が実装されており、この機能を有効にすることで、最新の情報を含む回答も得ることができます。
使用用途によっては、「Webブラウジング機能」を使うためだけに月額20ドルを支払う価値も十分にあるのではないでしょうか。

code interpreter(コードインタプリタ―)に対応(GPT-4のみ)

code interpreter(コードインタプリター)は、2023年7月に実装された新機能。

自然言語でプロンプトを入力してプログラミング言語のPythonでコードを生成・実行させる、各種ファイルをアップロードして分析やグラフの作成をさせる※など、さまざまな使い方が可能になる注目のアップデートです。

もはやAIチャットの域を超えた利用が可能と言っても過言ではなく、アイデア次第では仕事・プライベートを問わず多くの場面で活躍する便利ツールになり得ます。

code interpreter(コードインタプリター)でアップロードできるファイルは以下の通りです(2023年9月現在)。

  • テキストファイル(.txt)
  • Excelファイル(.xls, .xlsx)
  • CSVファイル(.csv)
  • PDF ファイル(.pdf)
  • Pythonスクリプト(.py)
  • 画像ファイル(.jpeg, .jpg, .png, .gif, .bmp など)
  • GIFファイル(.gif)
  • 動画ファイル(.mp4, .avi, .movなど)
  • ZIPファイル(.zip)
  • Jupyterノートブック(.ipynb)

既に多くのファイルに対応しており、日常的によく使う拡張子も含まれているのではないでしょうか。
なお、一度にアップロードできるファイルの容量は512MBまでのようです。

※code interpreter(コードインタプリター)機能のように、テキスト・画像・動画・数値など多種多様な形態の情報を処理できる技術を「マルチモーダル」と表現します。
AI関連の話題ではよく目にする表現のため、覚えとくと良いでしょう。

プラグインを入れることでさらに利便性を高められる(GPT-4のみ)

公式/サードパーティ製のプラグインを入れて、自分好みにカスタマイズできるのもGPT-4の強みの1つ。
作業内容にマッチしたプラグインを上手に活用すれば、業務の効率や精度の改善にきっと役立つはずです。

SEO対策、マーケティング、プログラミング、プロンプト生成など、さまざまな分野に特化したプラグインが既に数多くリリースされています。

スマホアプリ版もリリース(iOS・Android)

ChatGPTはこれまで、Webブラウザ版のみ利用可能でしたが、2023年5月にiOSアプリ版、7月にAndroidアプリ版をリリース。
iphoneやAndroidスマホからも気軽に使えるようになりました。

iOSアプリ版とAndroidアプリ版もWebブラウザ版と同様、ログインするだけで利用可能。
従来の文字入力のほか、音声入力にも対応しているため、より手軽で直感的な使い心地となっているようです。

新機能を追加しながら、現在も進化中

ChatGPTはこれまで、新機能を随時追加しながら進化してきましたが、今後もユーザビリティを向上させてくれるようなアップデートを用意しているようです。

上のリンクはOpenAIの公式X(旧Twitter)アカウントによる2023年8月4日のポスト。
これから実装する予定の新たな仕様を6つ紹介しています。

内容を簡単に和訳(意訳あり)すると、

  1. プロンプトの例を表示する・・・今まで新しくチャットを作成するためのページは空白だったが、よりスムーズに始められるように、使い勝手の良いプロンプトの例をいくつか表示する。
  2. チャットの返信を提案する・・・チャットの内容に応じて、ChatGPTとの会話がより円滑になるような返信内容を提案する。
  3. GPT-4を起動時のデフォルトに設定する・・・今までは有料プラン(ChatGPT Plus)のメンバーであっても、起動時のデフォルトはGPT-3.5モードだった。しかし、今後ははじめからGPT-4で起動するため、モード切替の手間がなくなる。
  4. 複数のファイルをアップロードできる・・・新機能のcode interpreter(コードインタプリタ―)に関するアップデート。単一のファイルだけでなく、複数のファイルにわたる分析や考察を依頼できるようになる。つまり、このアップデートによって今までよりもさらに複雑な使い方ができるようになる可能性が高い。
  5. ログイン状態の維持・・・これまでは2週間で強制的にログアウトされる仕様だったが、今後はその仕様はなくなる。また、ログインするためのページはさらに快適なものに改善される。
  6. キーボードのショートカットを追加する・・・より早く作業するために役立つキーボードシートカットを追加する。
    とのことです。

実際にChatGPTを使ってみると、これらのアップデートはどれも喜ばしいものばかり。
機能性が高まるのはもちろん、快適な操作性にも配慮した「かゆいところに手が届く」仕様の変更も含まれており、今後のアップデートにも期待できそうな内容となっています。

ChatGPTのメリット

まるで人間を相手にしているかのような、スムーズかつ自然なコミュニケーションが可能

ChatGPTは高度な自然言語処理技術を使用しており、まるで人間を相手にしているかのような、スムーズかつ自然な対話型コミュニケーションが可能です。

質問してから回答されるまでに数秒しかかからず、出力される文章も流暢で読みやすいなど、使用上のストレスが少ない点も、世界中でユーザー数を大きく伸ばしている要因と考えられます。

また、ChatGPTは過去の会話や情報を長期的に記憶できます。
これにより、ユーザーとの会話に継続性と一貫性が生まれ、人間らしさや親しみを感じさせてくれる点も“プログラムを相手にしている”というある種の取っつきにくさを軽減するのに一役買っていそうです。

調べものやテキストの作成にかかる時間を短縮できる

Webブラウザで調べものをする際は、検索窓に入力するキーワードの組み合わせを考える、検索結果のページをいくつも開いて情報を精査する、など意外と手間がかかるもの。
一方ChatGPTでは、とても物知りな方に質問を投げかけるような感覚で、直感的に調べものができます
プロンプト(=命令文)さえ適切に作ってしまえば、サクッとカジュアルに欲しい情報が手に入れられるのです。
特に、欲しい情報が明確な場合は、検索時の試行錯誤や情報の精査をスキップして、より素早く求める結果に辿り着けそうです。

さらに、ChatGPTはクリエイティブな領域においても時短を叶えてくれます
記事の構成やライティング、小説、脚本、クイズなど、テキストの生成が必要な場面では心強いツールとなることでしょう。
出力されたテキストをそのまま使用できるとは限りませんが、ChatGPTが出力したテキストをベースに人間が手を加えることで、工数を削減できる場面は多そうです。

膨大な知識に手軽にアクセスできる

ChatGPTは、大規模なデータセットを使用してトレーニングされており、幅広いトピックに関する情報を豊富に持っています。
そしてその膨大な知識に、カジュアルな対話形式で手軽にアクセスできます。

これは、ユーザーが技術的な専門用語を理解せずとも容易に必要な情報を引き出せる可能性を示唆しており、自分の専門分野以外の情報にも、気軽に触れられるきっかけを提供してくれます。

条件を付けて質問することで、より的確な回答を得られる可能性が上がる

「100文字以内で」「○○という言葉を使って」「小学生でもわかるように」など、プロンプト(=命令文)の条件の付け方次第で、より的確な情報を得られる可能性が上がります。

情報収集にしろ、テキストの生成にしろ、このプロンプトをどのように入力するかが、AIチャットツールを使いこなすうえでの最も肝心なポイントと言えるでしょう。
AIからの回答が芳しくないと感じられる場合は、プロンプトの改善(=書き直しや修正)で思い通りの結果に導ける可能性があります。

ちなみに、文章や画像などを生成するAI(=Generative AI)に対して、的確なプロンプトを作成する業務を主とする職種は「プロンプトエンジニア」と呼ばれ、AI技術の勃興と共に、にわかに注目を集めつつあります。
AI関連の話題とセットで扱われることも多い単語なので、覚えておきましょう。

ChatGPTのデメリット

情報の正確性に欠ける場合がある

ChatGPTは、主にインターネット上のテキストデータから学習しており、必ずしも正しい情報を出力するとは限りません。
現時点ではインターネット上のテキストデータに情報の偏りや間違いがあったり、バイアスがかかったりしている場合も、正しい情報と同等に扱い、丸ごと学習データとして取り込んでいるためです。

流暢な文章で回答が出力されると一見全て正しく見えてしまいがちですが、しっかり読み込むと粗が見えてくることも多いため、内容の正誤チェックは必ず行いたいところです。

専門性が高い内容や、リアルタイムの情報には弱い

高度な専門性を要求されるような質問には、的確に答えてくれない可能性があります。
ChatGPTはインターネット上の情報を元に学習しており、ある特定の分野の専門家間でしか共有されていないようなニッチな情報に関しては、回答を生成するために必要な情報量を満たしていないケースなどが考えられるためです。

また、先述の通りChatGPTは2021年9月までの情報でトレーニングされており、無料版のChatGPT-3.5では、最新の情報を駆使した回答は不可能です。
一方、有料版のChatGPT-4ではWeb上の情報を探し回る「Webブラウジング機能」が使えるため、リアルタイムの情報を含んだ回答も可能です。

情報漏洩のリスクがある

OpenAIは、ChatGPTのセキュリティを強化し、情報漏洩のリスクを最小限に抑えようとしています。
しかしながら、情報漏洩のリスクをゼロにすることは不可能です。
そのため、多くの企業はChatGPTの業務利用に対して慎重にならざるを得ないのが現状です。

ChatGPTをクラウドサービスの一種とらえると、社外秘のデータや個人情報を安易に入力することの危険性がお分かりいただけるかと思います。

ChatGPTの利便性を享受しつつ、情報漏洩のリスクに備えるための現実的な手段として、ChatGPTの利用に関する社内ルール作りを推し進めている企業もあるようです。

ChatGPTの活用方法

ChatGPTの活用方法

アイデアの数だけ使い道があると言っても過言ではないChatGPTですが、ここでは代表的な活用方法を3つの方向性に大別してご紹介します。

会話

例えば...

  • 悩み相談
  • カスタマーサポート

などに利用可能。

ChatGPTは流暢な文章を素早く生成可能なため、人間を相手にしているような感覚で、スムーズな会話が楽しめます。
気になっていることや、疑問に思っていることへの回答もすぐに提供してくれるため、個人的な悩み相談にはもちろん、企業のカスタマーサポートのオペレーターとしても活躍しそうです。

人間的なユーモアセンスを理解するにはあと一歩のようですが、情報を引き出すためのコミュニケーションという観点では、現状でも必要にして十分な能力があると言えそうです。

情報収集&学習

例えば...

  • 調べもの
  • 翻訳の支援
  • 勉強のサポート

などに利用可能。

ChatGPTはインターネット上の膨大なテキストデータによってトレーニングされており、情報収集のパートナーにはぴったりのツールです。

Web検索では、より的確な情報を得るために検索ワードを工夫したり、検索結果を選別したりする手間が必要ですが、AIチャットではカジュアルに質問を投げかけるだけで欲しい情報が得られます。
そのため、Web検索よりもAIチャットのほうが、より直感的かつスピーディーな使い心地と言えそうです。
※AIチャットにおいても、プロンプト(=命令文)によって返答のクオリティが左右されるため、返ってきた情報の正誤や適合性の判断は必要です。

また、幅広いジャンルの知識をカバーしているChatGPTは、趣味や学問の独学を助けてくれる頼もしい存在になり得ます。
学校や塾、習い事の先生に質問する感覚で、分からないことを遠慮なく聞けるため、独学でも自分の能力をどんどん伸ばしていける可能性があります。
ある分野のことについて詳しい人が周りにいない方や、人と話すのが苦手な方にとっても、ChatGPTを通して多くの学びを得ることができるでしょう。

なお、ChatGPTは多言語に対応しているため、翻訳ツールとしても利用可能です。
外国語を学習中の方や、業務または趣味で翻訳スキルが必要な方にとってもチェックする価値はありそうです。

クリエイティブ系

例えば...

  • ライティング
  • 企画書・プレゼン資料の作成
  • 表や関数の作成
  • プログラミング/コーディング
  • プロンプト(=AIへの命令文)を書かせる
  • 文章やコードの校正・添削
  • 文章の要約

などに利用可能。

ChatGPTは文章やプログラムのコードを生成する、クリエイティブなツールとして大きな可能性を秘めています。

生成可能な文章のジャンルは小説、脚本、記事、プレゼン資料など多岐に渡り、本文はもちろん、なんとプロットや構成のベース作りにも利用可能です。
プロンプトの条件設定次第では、文章のスタイルなどの細やかなルールに基づいた結果を生成してくれるため、使い込むほどに時短で思い通りの文章を出力させることもできそうです。

また、完成した文章を読み込ませることで、校正・添削も行ってくれます
文法や内容の正誤判断はもちろん、「もっと柔らかい文体で」「小学生でもわかるように」など、校正
添削ツールの枠を超えた要求も可能。
ライター自身が編集者を兼ねるシーンなどでも活躍しそうです。

さらに、PythonやJavaなどのプログラミング言語でコーディングさせたり、Excelの関数を生成させたりと、人語以外の生成も可能。
ITエンジニアやオフィスワーカーの、クリエイティブな業務領域をサポートしてくれるツールであることは間違いないでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は話題のAIチャットシステム、ChatGPT(チャットジーピーティー)について解説しました。

現状でも既に高機能と感じられるChatGPTですが、今後はさらに文章生成の精度が上がり、マルチモーダル関連をはじめさまざまな機能も追加される見込みとのこと。
Microsoft 365とのAPI連携なども発表されており、ビジネスやオフィスワークの在り方を大きく変える可能性を秘めています。

また、ウェブ検索のことを「ググる」と呼ぶようになって久しいですが、AIチャットで情報を得ることをBing AIから取って「ビグる」と呼ぶ流れも生まれつつあり、AIチャットの活用はますます一般化することが考えられます。

必要な情報を素早く入手するための手段として有効なAIチャットですが、一方で倫理観や著作権の問題、利用者の思考力の低下など、さまざまな懸念事項があります
その便利さゆえについつい依存してしまいそうなものですが、あくまでも検索や創作のためのサポートツールとして活用するのが良いのではないでしょうか。

なぜなら、AIが出力した内容の正誤や、業務への適合性を最終的に判断するのは、結局のところ人間だからです(現段階においては)。

ChatGPTをはじめとするAIチャットシステムは、“使うことが当たり前”という時代に片足を踏み入れつつある状況と思われます。
適切な使い方や距離感をしっかりと判断する目を養いつつ、業務や日常生活に取り入れていきましょう。

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