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仕事の見える化で業務効率が向上する?見える化のメリットと進め方も

ヒト・モノ・カネ・情報など企業にとって重要な経営資源の無駄を防ぐためには、仕事の見える化が欠かせません。仕事の見える化を進めることは、より良い企業を作るための不可欠要素の一つと言えます。

では、そもそも仕事の見える化とはどのようなことを指すのでしょうか。今回は、重要な経営資源の無駄を省き、より良い企業を作りたい経営者や管理職者の方に向けて、仕事の見える化のメリット、進め方を解説します。

1.仕事の見える化とは?

仕事の見える化とは、いつ・どこで、どの社員が・どのように仕事しているかを可視化して、適宜それらを把握できる状況を作ることです。社員一人ひとりの持つノウハウやハウツーなど目に見えないものを共有することも、仕事の見える化に含まれます。

仕事の見える化を進めることは、業務効率化を実現し、企業としての生産性を高めるための有効な一手です。そのため、働き方改革が推進される時代において、重要な取り組みです。

1-1.見える化させるべき4つの情報

仕事の見える化において可視化するべき情報は、大きく分けて4つあります。具体的には、業務フロー・タイムスケジュール・ナレッジ・タスク状況の4つです。下記表は、それぞれの情報の概要と見える化させる目的を示します。

業務フロー ●「マーケティング→テレアポ→ヒアリング→提案→契約」といったように、特定の仕事を進める際の手順のこと
●業務の無駄の削減や、ミスの回避に必要な情報
タイムスケジュール ●「いつ、どこで、どの業務を担当するか」という社員一人ひとりの予定のこと
●特定の社員に過剰な業務負担のかかる状況を回避するために必要な情報
ナレッジ ●社員一人ひとりが持つノウハウやハウツーのこと
●業務の無駄の削減や、ミスの回避に必要な情報
タスク状況 ●特定の仕事の担当者や進捗状況などのこと
●作業漏れの防止や、生産性向上のために必要な情報

上記のほか、顧客情報や勤怠状況も、必要に応じて可視化する必要がある情報です。仕事の見える化を進める目的に応じて、対象を選定しましょう。

 

2.仕事の見える化を行うメリット4選

仕事の見える化を行う際には、取り組みの目的やメリットを正しく把握することが大切です。目的やメリットを正しく把握しないまま仕事の見える化を進めても、狙い通りの効果を期待できないケースがあります。

仕事の見える化を行うメリットは、大きく分けて4つです。

2-1.業務量と質の適正化

仕事の見える化は、組織として抱えている業務量を適切に把握し、配分を最適化することに貢献します。特定の社員に業務量が偏ることは、納期の遅れや、作業の質の低下などを引き起こす原因となります。

仕事の見える化によって業務量を適切に把握すると、手の空いている社員にサポートを依頼するなどして、適正に配分し直すことができます。結果として作業の質が上がり、より良いサービスや商品を提供できる状態を生み出すことが可能です。

2-2.業務フローの見直し・改善の機会が得られる

業務フローを見える化すると、作業の属人化をいち早く発見し、改善する機会が得られます。作業の属人化は、特定の社員の異動や退職によって露見することが多く、商品やサービスの質の低下を引き起こす一因です。属人化している作業がボトルネックとなって、作業効率に支障が生じるケースもあります。

仕事の見える化は作業の属人化を解消し、作業効率を高めるために欠かせないステップです。副次効果として、社員の異動や退職に対する備えもでき、組織としてのリスクヘッジに役立ちます。

2-3.業務の全体像がわかる

仕事を見える化することで、社員は、業務の全体像を把握できます。社員は自分自身の担当以外の業務にも目を向けるようになり、部門を越えた相互理解を促すことができるでしょう。

部署を越えた相互理解が進むとコミュニケーションが活発化し、新しいアイデアが生まれやすくなります。部署を越えたコミュニケーションによって生まれた新商品やサービスが消費者に受け入れられると、大幅な売上アップを狙うことも可能です。

2-4.社員の成果を評価しやすくなる

仕事を見える化すると、管理職者は、社員の能力や成果を正確に把握しやすくなります。結果として、公平な人事評価を進めやすい環境を作ることが可能です。仕事を見える化していない状況では、何を根拠に人事評価を進めるかが不明瞭で、管理職者の主観に頼ることが多くあります。

管理職者の主観に頼った人事評価は社員の不満を招きやすく、モチベーションを低下させる要因となります。そのため、仕事を見える化し、人事評価の公平性を高めることが、社員のモチベーションを向上させるために有効な一手と言えます

 

3.仕事の見える化を進めるための方法

仕事の見える化の施策推進や運用のために多くの時間を割くことは、企業にとって良いこととは言えません。では、仕事の見える化はどのように進めれば良いでしょうか。

ここでは、仕事の見える化を進めるための方法をステップ別に解説します。

STEP1:「見える化」マニュアルを作成する
仕事の見える化による効果を最大化するためにはまず、見える化の目的や課題を社内全体に共有しましょう。その上で、統一的なフォーマットによる「見える化」マニュアルを作成します。「見える化」マニュアルは、部署別に作成する方法もおすすめです。

STEP2:日々社員に必要情報を記載してもらう
日々、社員にタイムスケジュールやタスク状況を入力してもらいます。必要な情報を漏れなく記載できる場合、エクセルなどのスプレッドシートをフォーマットとして使用しても構いません。しかし、入力に手間のかかるフォーマットを採用すると、情報の漏れが生じたり社員の不満を招いたりするリスクがあるため、注意しましょう。

STEP3:記載情報の調査・分析を行う
社員に記載させた情報を定期的に確認し、業務フローの善し悪しを判断します。課題が発覚した場合は業務フローを見直し、より良いものへと改善しましょう。

 

仕事の見える化は、より良い業務フローを作成するための一つの手段に過ぎません。「見える化」マニュアルを作成したり必要情報を記載させたりすることのみで終わらずに、課題の発見や業務フローの改善までをワンセットとして考えることが大切です。

 

まとめ

仕事の見える化とは、業務フローやタイムスケジュール、タスク状況などを可視化して、ひと目で把握できる状態を整えることです。仕事を見える化することには、業務量と質の適正化を図れること・部署間や社員間の連携を強化できることなどのメリットがあります。

ただし、仕事の見える化の準備や運用に多大な時間を割くことは、本末転倒の結果です。

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