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総務の改善アイデアや他社の成功事例10選

会社の総務部といえば、社内の様々なことに気を配り、管理をする仕事がメインです。たとえば、株主総会や社内イベントの実施など大掛かりなものから備品の発注・管理といった細かな作業まで、全てを一括してこなさなければなりません

周りをよく見て管理するという非常に重要な仕事ではあるのですが、専門性を必要としない業務でもあるので、どうしても「地味」と取られてしまいがち。見える成果が出にくいために、表彰される機会などもなくどうしても注目されにくいのです

しかし、ただ黙々と業務をこなすだけが総務ではありません。近年では、与えられた仕事をこなすという「受動的」な総務から、自身で気づいて会社のために動く「戦略的総務」というものが注目されています。ということで今回は、この戦略的総務について概要を紹介するとともに、実際の成功事例についてもピックアップしていきます。

総務に求められる改善の鍵になる「戦略的総務」とは

かつての総務は、「受動的」「地味」と言われてきました。しかし現在では、自身で能動的に動く「戦略的総務」が注目を集めています。

戦略的総務というのは、言われたことをやるのではなく、むしろ自身で考えて会社の環境をよりよくするためにはどうすればいいのかを考えて動くことが大切です。例えば各種業務を効率化したり、働きやすい環境を整えられるように美化活動をしたりと、その幅は多岐に渡ります。

また、以下にも紹介していますが、様々な制度やアイテム・ソフトを取り入れていくことで、会社をより働きやすい環境を整えられるのです。会社を変えるためには、古い体制をどんどん塗り替えていく必要があります。これまでの能動的な総務を脱し、いかに積極的に物事を進めていけるかということを常に考えておきましょう。

関連記事:総務だから変えられる。ワークフローのDX化を解説。

関連記事:戦略総務を目指す。総務に必要なスキルを徹底解説

総務の改善アイデア事例&他社成功事例10選

戦略的総務と言っても、具体的にどんなことをしたらいいのかわからないということもあるでしょう。ここからは、戦略的総務のアイディアについて実際の事例を交えながら紹介して行きます。

打ち合わせスペースを多数設置

打ち合わせスペースが少ないと、そもそも打ち合わせの機会が減ってしまいます。また、せっかく打ち合わせをしようと思っても打ち合わせの場所の確保が難しいことで結局後回しになってしまい、必要な話し合いができないということもあるでしょう。

総務が率先して社内に打ち合わせのスペースを作ることで、小さな話し合いも頻繁に行われるようになり、上司と部下のコミュニケーションがしっかりと取れるようになったというケースもあります。

会社は、人と人とで成り立っています。チームで働くもの同士の連携が取れていれば、自然と業務もスムーズに進むようになります。大きな打ち合わせスペースではなくても、例えばブースのように仕切って机と椅子を用意するだけでも十分。小さなことでも話し合いができる環境があれば、部下からもちょっとしたことで相談する時間を持てるようになります。

こうした空間作りをすることも、総務の重要な役割。言われたことを行うだけではなく、率先して会社のためになるような環境づくりが、戦略的総務なのです。

社内メディアの運営

会社で働いていてよくあるのが、他部署がどんな仕事をしているのかわからないということです。他の部署の大変な部分などがわかっていないと、部署外と交流する際につい冷たい対応になってしまったりしがちです。そうなると会社内の雰囲気も悪くなってしまいますし、コミュニケーションが悪化することで様々な弊害が起こります

コミュニケーション不足が起こると、社内の連携が乱れます。すると、結局社外との対応に対してもトラブルが起こりやすくなります。

そこで戦略的総務の仕事の一環として、社内メディアの制作を行っている会社もあります。社内メディアは定期的に更新され、社員をプライベートまで特集したり、部署の業務内容も紹介しています。これによって他部署がどんな仕事をしているのかということに対しても理解が深まり、社内のコミュニケーションも円滑になるのです。

社外に向けたメディアというのはよくありますが、社内メディアの運営も非常に有効なコンテンツの一つと言えます。

社内勉強会の実施

忙しい状況にあると、未来の会社の背負う新人の教育もおろそかになってしまうことがあるのではないでしょうか。右も左も分からない新入社員に、少しの説明だけで全てを理解しろというのは無理があります。働きにくい環境だと感じてしまえば、優秀な社員であってもすぐに辞めてしまいかねません

そのような場合に、社内勉強会を開くことが有効です。社内勉強会では、先輩となる社員が自身の失敗経験などを踏まえて、業務のやり方を細かく新入社員に教え込んでいきます。また、新入社員の方も業務を行う上でわからない点などがあれば質問をし、理解を深めることが可能です。

失敗に対する対処の仕方なども先輩・後輩双方が共有することで、その後の業務のミスが少なくなります。曖昧な点もなくなるので、作業効率も大幅にアップするでしょう。教えるのは面倒と思う人も多いでしょうが、部下を育てるためにはある程度時間と手間をかけなければなりません。総務が社内勉強会を開催することで、こうした機会を積極的に作ることができるのです。

ゴミ処理の徹底

会社内の問題の一つが、ゴミ処理についてです。基本的にゴミの処理に関しては総務が担当するわけですが、各部署がゴミの分別ルールなどを守らないことで、社内のゴミ収集のマナーが乱れてしまいます。そうなると処理にも時間がかかってしまいますし、忙しい仕事がより大変になるでしょう。

そこで、戦略的総務の一環として、ゴミの処理を徹底している会社もあります。何をしているかというと、会社全体は置いておいて、まずは総務部内でゴミの処理ルールを徹底するのです。総務が率先してゴミの処理に力を入れていくことで、他の部署も積極的に手伝ってくれるようになったという良い結果につながっています。

公共の設備などを毎日綺麗にしておくことで、他の部署の人間もゴミ処理や掃除に関してん関心を深めることができます。周りの部署にルールを押し付けるだけでは、義務として重荷になってしまうので、なかなか実行してくれないことも。そんな時は自らが実践することで、周りに関心を抱かせるというのも戦略的総務の方法の一つです。

備品の管理で経費削減

基本的に会社の備品を管理するのは、総務の仕事です。通常は少なくなった備品を発注したり、補充したりというのは主な業務なのですが、中にはコストのかかる備品もあります。各部署が同じような備品を使うとなると、経費もばかにはなりません

そこで戦略的総務では、備品の管理に対しても積極的に行っていくことが大切です。例えば、本当にその製品でなければダメなのか、代替品はないのかということを考えて、代わりがあるようならそれを採用します。これだけでも、コストは大幅に抑えられるでしょう。

また、社員へのアンケートを取るのも有効な手段です。どんな製品があったら良いのか、備品の中で不要だと思うものはないかなどということを聞いて、現場の声を集めることも大切です。総務だけで社内全体の不要物などを把握するのは難しいので、それこそ先に挙げた社内メディアなどを通じてアンケートをとってみるのも良いでしょう。

福利厚生の見直し

会社ごとに定められている福利厚生ですが、今ではもう古いのではないか?これは本当に必要なのか?というものまでそのままになっていることもあります。時代の風潮によって、社風も社員層も変わってきます。それぞれの時期にふさわしいように、随時福利厚生を見直していくことは会社で快適に仕事をするために必要なことです。

では、どうすればいいのか。実際に福利厚生を見直すのであれば、総務の独断で決めるわけにはいきません。社員にアンケートをとって、実際にその項目の利用率はどのようになっているのか、満足度は高いのかということをリサーチすることが大切です。

福利厚生の案としては様々ありますが、例えば社食メニューの見直しや改善を図るのも良いでしょう。また、職場の内装をチェックして、設備点検をしながら福利厚生の一環としてできることを探していくことも大切です。

実際に福利厚生を見直すことで、社員はもっと快適に仕事ができるようになります。気づかなければなかなか見えない部分でもあるので、戦略的総務の仕事として実践している会社もあります。

コーポレートルールブックを作成

社内では様々な作業を円滑に進められるように、ルールブックが作られているところがほとんどです。このルールブックを参照しながら新入社員などに仕事を教えていくわけですが、実際のところ、部署や上司によってルールブックの内容がまちまちであることも多いんです。そうなると、「あの人にはこのやり方でやると言われたのに、この人にはやり方が違うと言われた」と言う方針の齟齬に新入社員が悩む原因となります。また、使用するツールが人や部署によって違うことでも、このようなトラブルは起こってしまいやすいのが難点です。

総務部で会社のルールを一括管理するルールブックというものを作ることで、全社員が簡単にルールを把握することが可能になります。ルールの把握がスムーズになることで新入社員の入社時や部署移動の際にも、手間取らずにスムーズに業務に取り込めるようになるのです。

チャットボットを導入

ここからは、ユニークな戦略的総務の業務について紹介していきます。まず、会社によってはチャットボットを採用しているところもあります。チャットボットというのは、AI知能を利用して質問などに自動で答えることができるシステムです。

総務は社内の様々な声に耳を傾けることが重要な仕事ではありますが、そうは言っても人間の仕事には限界があります。一つ一つの質問に答えていては他の業務が滞ってしまい、かえって非効率です

そんな時に、チャットボットが便利なのです。例えば社内からの質問に対しては、あらかじめ回答データをAIに教えていれば、自動で返答をしてくれます。また、AIが独自の教師データと呼ばれる回答を覚えていれば、例えば総務部の人間が退社した際にも引き継ぎの手間が大きく減ります

これは、社内からの問い合わせはもちろん、外部とのやり取りにおいても活かせる部分があるでしょう。

ランチのツケ払いを導入

ユニークな戦略的総務の仕事として、ランチのツケ払いを導入している会社もあります。社食などのランチをつけ払いにすることで、社員が建て替えをする場合の負担を抑えることが可能になりました。

また、領収書を受け取って経費の管理をする総務としても、ツケ払いにすることで清算が簡略化するので、負担が大きく減ります。請求書のデータ管理もやりやすくなり、面倒な経費計算の作業が10分ほどに短縮。その分、他の戦略的総務の業務などに時間を割けるようになるので、様々な仕事ができるようになるでしょう。

会計から経費のデータ管理などをアプリで一括管理することによって、利用者も経理担当者も手間が大幅に減ります。社員はより社食を利用しやすくなりますし、それによって社員同士のコミュニケーションも円滑になるでしょう

まとめ

今回は、総務として攻めた姿勢のアイディアについて紹介してきました。総務は事務的な仕事をこなす部署と思われがちですが、積極的に会社のためになるような企画を運営していくことも大切です。

戦略的総務の仕事として、成功をおさめた例はたくさんあります。会社内で必要とされていることはないか、改善点はないかということに目を光らせ、社内をよりよくするために力を入れていきましょう!

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